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「体育会系」の変化とジーコジャパン


先日、NHKのWEB記事「“体育会系”が変わる?「運動部活動」と「入試」と「就活」」(2022年6月28日)が出されました。社会が変わって、社会から求められる人材像が変わってきている、従来の「体育会系」は求められなくなってきた、という内容です。この記事を読んだとき、サッカーのジーコジャパンを思い出しました。この点について少し書いていきたいと思います。エッセイです。

記事によると、いまアスリートの就職支援をしている方は以下のように言います。

マイナビ 木村雅人さん
「大量生産で規律を重んじる時代は、言われたことをしっかりやる“体育会系”人材が求められていた。しかしバブル崩壊、リーマンショックを経て、今までにないサービスや価値をみずから作っていける人たちを採用したいということに変わってきた。」

「“体育会系”が変わる?「運動部活動」と「入試」と「就活」」

大学スポーツの監督をしてきた方も以下のように言います。

帝京大学 岩出雅之スポーツ局長
「これまでの体育会系の『受け身の体質』から『能動的な体質』にならないと世の中に受け入れられない。われわれは汗と根性で育ったが今はそうではない。世の中に送り出して役に立つ能力を高めるようとする指導者が多くならないといけない」

「“体育会系”が変わる?「運動部活動」と「入試」と「就活」」

このようなコメントを見ると、約20年前、サッカーのジーコジャパンがこの課題に向かい合ってきたことを思いだします。

ジーコ監督は、選手に対して自分で考えることを求めました。

2002年7月に着任後、ジーコ監督は一貫して選手に自由を与え、考えるサッカーをさせるように仕向けてきた。それは、1991年に鹿島アントラーズの前身である住友金属に選手として来日して以来、10数年間日本サッカーを見てきたジーコが、日本人選手の「与えられたことは十分こなすことができるがイマジネーションに欠ける」という特性に気がついた結果だった。
考えてプレーさせることで、サッカーというゲームに重要なこの一面を引き出すことができると考えた。そこで、選手を大人扱いし、彼らがミスをしてもできるだけ口を出さずに、自らの手で答えを見つけるまで待つという姿勢をとった。4年間の大半がそれに費やされたと言ってもいい。
その結果、選手間の対話は増え、日本代表はアジアレベルではある程度スムースにパスゲームを展開するようになった。2004年にはアジアカップ連覇も遂げ、ドイツW杯へは11勝1敗の予選通算成績で、一番乗りで出場権を獲得した。だが、そこまでだった。

Numbers「2006年 ドイツW杯総括 ジーコジャパンとは何だったのか。」

20年前、ワールドカップ出場を目指して、という大きな話題の中で、ジーコ監督の方針がいいのか、にわかサッカーファンの間でも話題になっていた印象があります。

日本の選手は、世界のトップレベルの選手と比較すると、自分で考えて自分で答えを出すという力が弱い。このことを当時の多くの人々に伝えた。このときに選手だった人々がいまサッカーの指導者になっていると思うので、サッカーは、業界全体として、このジーコジャパンのとき、「言われたことをしっかりやる人間」を育成することから、「自分で考えて、自分で答えを出す人間」を育成する方針に切り替えたかもしれない。


前述の大学スポーツの監督は「世の中に送り出して役に立つ能力を高めるようとする指導者が多くならないといけない」と話していますが、サッカーはジーコジャパンの影響で、「自分で考えて、自分で答えを出す人間」を育てようという指導者が多くなり、このことが現在のサッカー人気、子供の習い事として多くの保護者がサッカーを選ぶようになった一因になっているかもしれない。


柔道でも、見聞きする範囲でですが、judo3.0では、毎週金曜日、様々なゲストがお話をしてくださっており、多くのゲストが柔道の先生ですが、「自分で考えて、自分で答えを出す人間」を育てよう、という問題意識を持たれている先生が多い印象があります。

各所で、どんな人を、どんな力を育んだらいいのか、見直しが行われています。

2022年5月31日には、経済産業省から「未来人材ビジョン」が公表されました。これまでの教育機関や企業が育んできた「人的な能力・特性とは根本的に異なる要素が求められていく」かもしれないという問題意識からです。

デジタル化の加速度的な進展や、脱炭素化の世界的な潮流は、これまでの産業構造を抜本的に変革するだけではなく、労働需要のあり方にも根源的な変化をもたらすことが予想されます。
また、日本企業の競争力をこれまで支えてきたと信じられ、現場でも教え込まれてきた人的な能力・特性とは根本的に異なる要素が求められていくことも想定されます。
日本企業は、必要とされる具体的な人材スキルや能力を把握し、シグナルとして発することができているか。そして、教育機関はそれを機敏に感知し、時代が求める人材育成を行うことができているのか

2030年、2050年の未来を見据え、「旧来の日本型雇用システムからの転換」と「好きなことに夢中になれる教育への転換」を!

この「未来人材ビジョン」は「好きなことに夢中になれる教育への転換」を求めています。

デジタル化や脱炭素化といったメガトレンドは、
必要とされる能力やスキルを変え、
職種や産業の労働需要を大きく増減させる可能性がある。
こうした中、未来を支える人材を育成・確保するには、
雇用・労働から教育まで、社会システム全体の見直しが必要がある。
これから向かうべき2つの方向性を示したい。
旧来の日本型雇用システムからの転換
好きなことに夢中になれる教育への転換
(中略)
「好きなことに夢中になれる教育への転換」とは、
一律・一斉で画一的な知識を詰め込むという考えを改め、
具体的なアクションを起こすことである。
一人ひとりの認知特性・興味関心・家庭環境の多様性を前提に、
時間・空間・教材・コーチの組み合わせの自由度を高める方向に転換し、
子どもたちが好きなことに繰り返し挑戦したくなる機会を増やしていく。

2030年、2050年の未来を見据え、「旧来の日本型雇用システムからの転換」と「好きなことに夢中になれる教育への転換」を!

ここでいう「好きなことに夢中になれる教育」と「自分で考えて、自分で答えを出す人間」は密接に関係しています。

柔道を通じてどのような力を育んだらいいのか?

現場で指導されている先生は、子供の変化、保護者の変化、社会の変化に直面して、日々考えて、工夫され、改善されていると思うので、そういったテーマで話し合い、それが多くの人々に知られるようになったら何かいい変化が生まれるような気がします(酒井judo3.0)。

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