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第6回フォーラムJUDO3.0レポート ~高校生と大人が「笑顔あふれるコミュニティの作り方」について対話~

2019年4月28日(日)、大阪府枚方市の長尾高校にて、第6回フォーラムJUDO3.0「笑顔あふれるコミュニティの作り方」が開催され、40名を超える社会人や柔道の先生、大学生、高校生にご参加いただきました。今回のフォーラムの特長は、長尾高校にご協力いただき、多数の高校生に参加いただいて、高校生と大人が対話する場を設けた点にあります。初めての試みでしたが、フラットでオープンな話し合いが行われ意義深い会となりました。以下、3.0マガジン編集部による本フォーラムの開催レポートです。

当日の様子

柔道あそびの体験

第1部(10:00~12:00)は、長尾高校の道場にて「柔道あそびの共創」というテーマのワークショップ。

「笑顔あふれるコミュニティを作り方」の具体的なアプローチとして、以下の3名の講師から「運動あそび・柔道あそび」(以下「柔道あそび」と表記)が紹介されました。

  • 発達障害のある子どもも、ない子どもも共に楽しむことができる柔道クラブを立ち上げ、プログラムに柔道あそびをたくさん取り入れているユニバーサル柔道アカデミー(愛媛県四国中央市)の長野敏秀氏。
  • 幼稚園や保育園の幼児に対して独自の柔道プログラムを開発して提供している「よしじいとじゅうばあのじごろうキッズ」(島根県)の矢冨修子氏
  • 東京学芸大学で開発された「柔道じゃんけん」など様々な柔道あそびを取り入れて運営している高浜少年柔道教室(愛知県高浜市)の森田泰行氏

例えば、通常のトレーニングにじゃんけんを加えるだけで盛り上がったりすることが実演されました。日本体育協会が「アクティブ・チャイルド・プログラム」で運動あそびを推奨していますが、「遊び」の要素は、子どもたちのワクワクを引き出すうえでとても効果があることを体験することができました。

柔道あそびを創る

柔道あそびを体験した後、今度は、自分たちで「柔道あそび」をつくってみよう、というワークショップが始まりました。

これまでスポーツは「する・観る・支える」の三本柱と言われていますしたが、最近、スポーツ庁が「スポーツ共創マニュアル」を発表したように、スポーツを「つくる」という活動が注目されています。ワークショップでは、小グループに分かれ、道場でできる運動プログラム(柔道あそび)を立案する、という課題が与えられ、それぞれのグループから考案した柔道あそびが発表されました。9つのグループから発表された柔道あそびはどれもユニークで魅力的であり、投票の結果、二つの柔道あそびが選ばれ、参加者で体験しました。これは大変な盛り上がりを見せ、参加者の様子から、運動プログラムや柔道あそびを創ることは楽しい、ということが伝わってきました。

最後に講師から、「スポーツを創る」という取り組みにはインクルーシブな柔道環境を促進する側面があることが話されました。なぜなら、その場にいる人みんなが楽しむことのできるプログラムは何か、を考えるからです。いまスポーツの共創が大きく注目されている理由の一つは、既存のスポーツで勝つことができず、運動から遠ざかった人々でも、運動が得意な人とともにスポーツを楽しむことができるよう、新しいルールを作り出し、運動をより身近なものにしている点にあります。

枚方市長からのご挨拶

フォーラムには、枚方市市長の伏見隆氏が来てくださり、お話をしてくださいました。なんと伏見市長は柔道家であり、柔道の総本山である講道館(東京都)が毎年1月に行う伝統行事、寒稽古(朝5:30から7:30までの稽古)にも参加されていたそうです。柔道家である市長から、「笑顔あふれる柔道コミュニティの作り方」、多様な人々が楽しむことができる柔道のあり方を探求する本フォーラムの活動を評価いただき、うれしかったです。

講演

午後から、笑顔あふれる柔道コミュニティを実際につくっている、以下の3名の指導者による講演が行われました。

  • 小学生、中学生のほか、視覚障害、発達障害、知的障害のある生徒、大人、ママさん、など、多様な人々が柔道をできる環境をつくっており、テレビ番組BSフジ「JUDO」にも出演したいる河芸柔道クラブ(三重県津市)の柴田聖氏
  • 世界ではじめて柔道を脳性麻痺の子どもたちの療育として活用し、現在、知的障害や発達障害がある子どもたちの柔道教室を運営している、社会福祉法人わらしべ会(大阪府枚方市)の辻和也氏
  • 発達障害のあるなし問わず柔道できる環境を目指してユニバーサル柔道アカデミー(愛媛県四国中央市)を設立した長野敏秀先生

それぞれどんなコミュニティをつくっているのか、何故つくっているのか、などが語られ、多様なコミュニティをつくることの具体的な内容とその意義を学ぶことができました。

当日の講演の様子(ライブ配信映像)

分科会

講演後は分科会がおこなれました。分科会では、講演した講師への質問のほか、インクルーシブな柔道、世界とつながる柔道、幼稚園児の柔道など、いくつかのテーマに分かれてそれぞれ参加者が自分の興味関心にそってテーブルを選び、語り合いました。

そして、「私はなぜこの場に来たのか」「私はどのように柔道を活かし、自分の未来と世界の未来を切り開いていくのか?」という問いがそれぞれに与えられ、各テーブルではテーマについての表層的な会話にとどまらず、なぜこのテーマが自分と関係しているのか、というそれぞれの想いを表現しながら行う対話が行われました。

懇親会

午前の柔道あそびの体験と共創、午後から講演、分科会とあっというまに時間が過ぎましたが、懇親会ではそれぞれくつろいだ話し合いが行われました。

校長先生からご挨拶

長尾高校の校長である寳田康彦先生がご挨拶くださり、高校生が多様な大人と話すことの大切さなどについてお話くださいました。今回のフォーラムは、寳田先生、そして長尾高校柔道部顧問である新立慶先生はじめ長尾高校の関係者の皆さまが、柔道を通じて高校生と大人との対話を実現しようという本フォーラムの趣旨に共感してくださり、ご協力くださったおかげで開催することができました。心から感謝申し上げます。

なお、寳田先生は長尾高校の「校長ブログ」にて本フォーラムを詳細に書いてくださっております(「本校柔道場にて「柔道交流会」が開催されました!」)。ぜひご覧ください。

それぞれの想いを発表する

judo3.0は、「そんなの無理だ」とか「現実的じゃない」という、どこからともなく聞こえるささやきを乗り越えて、自分の想いを話すこと(話したければ)、まず小さくやってみること(挑戦してみること)、そして挑戦者を応援することを大切にしています。フォーラムの最後は、希望者がそれぞれの想いや挑戦を発表する時間。10名が名乗りを上げ、素敵な挑戦を語ってくださいました。

参加者のご感想(アンケート)

若者と大人の対話する場の要否:必要である

第6回目の開催となるフォーラムJUDO3.0ですが、今回、はじめて高校を会場とし、多数の高校生が参加、高校生・大学生と大人が対話するフォーラムとなりました。参加者によるアンケートでは、このような高校生や大学生と大人が話し合う機会は必要かという設問について、アンケート回答者の全員が必要であると回答しており、このような機会が必要であることが示唆されました。

参加者のご感想

高校生・大学生の感想
  • 私は今日一日で選手目線の柔道の見方以外にも指導者や普及させようとしている人々の話を聞け、これからの人生をよりよいものにできると思いました。障害者スポーツについて学びが深まりました(大学生)
  • 柔道や練習に対する考え方を学ぶことができ、様々な意見を交換できた。海外の人たちと交流するときのツールとして柔道が役立つということを学ぶことができた(高校生)
  • 自分自身この会に出席して学んだことがとても多くあった。今からの時代は今の高校生、大学生が創造していくものなので、柔道を広げるという意味でもとても意義があると思った。柔道を通じて地域活動を行うことを学んだ。本当にこの会に出席することができてよかった(高校生)
  • 高校生にとってはだいたいが同じ年齢層の会話になりがちだが、このフォーラムを通じて視野が広げると思った。分科会の話を聞いて柔道でいろんな体験をする大切さを知りました。新しいトレーニング内容を知れて、初心者の方でも楽しんで出来ることを改めて感じさせられました(高校生)
  • 他の人の話をたくさん聞けていいところもあるし、自分の思っていた事と違うことも聞けるのでとてもよかった(高校生)
  • 普段学べないことにたくさん気づくことができた。柔道は他の競技より海外で活かせることを学んだ。
  • 柔道を生かして様々な取り組みを行えることが分かった。今まで考えてなかったことについて考えたのと、知らなかったことが知れてよかった(高校生)。
  • 高校生の中にも、最後の挑戦の発表を聞いたところ、何か感じて心を動かされたということが伝わってきた。自分自身も大人の方々と話す中で勉強になることがたくさんあった。子どもたちが楽しめるだろうなという柔道あそびがたくさんあった(大学生)
社会人の感想
  • 午前中のプログラムで活用できそうなものがたくさんあった。柔道を通じて何をするかという視点がもっと必要だと思った。柔道と他の協議を併用するというのもよいと思った。高校生がいて活気のある会になったと思う
  • 世代間交流は必要だしよかった。この様な世界(今までの柔道関係では知らなかった)があるんだと驚いた。新しい発見
  • 柔道にたずさわる人、年齢も職業も立場も違う人達と柔道について語り、色々な意見や考え方、取り組み方の共有ができる事は今後の柔道への取り組みにプラスになります
  • 多様性を認める社会に向けては、このような機会にお互いの価値観の違いを知り、認め合ったり、調整し合うことが必要。大人こそ若者から学ぶ姿勢が大切。高校生や大学生との学びの場はとてもよかった。
  • はじめての参加で、様々な角度から物事を考える事の大切さを感じた。
  • 若い世代との交流も大切だと思う。高校生にとっても大人と話す機会で柔道に対する意識は変わると思う。地域交流・貢献の話を聞けてよかった。子どもにとってはすごく良い経験だと思う。高校で開催できたことがすごいと思う。市長や校長の理解がすごい。今までのフォーラムになかった感覚でした。
  • 気づきがあり、モチベーションがあがり、目標ができた。言葉をこえたつながり、きずなができる。そしてそれに気が付くことができた。
  • 世代を超えた意見交換はとても大事と思う。

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