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未経験者向けの柔道の体験会を企画して -浅見友記夫氏&田邊智彦氏- 

NPO法人judo3.0は、2024年11月16日(土)、大阪市立修道館にて、柔道の体験会「はじめての柔道ばんぱくin大阪城」を開催し、156名の皆様に参加いただきました。これまで柔道と接点がなかった人々にどうやったら柔道の体験会に足を運んでいただけるか、試行錯誤したプロジェクトでしたが、本プロジェクトのリーダー浅見友記夫氏、副リーダーの田邊智彦氏からプロジェクト報告をいただきました。柔道普及に取り組む皆様の一助になったら幸いです。

目次

「熱き志を持った仲間とともに」浅見友記夫(加美中学校柔道部)
「柔道のすばらしさを伝えたい」田邊智彦(明武館田邊道場)

「熱き志を持った仲間とともに」浅見友記夫(加美中学校柔道部)

私が今回のプロジェクトを皆で推進しようと思った理由は大きく2つあった。1つはいつも勉強になっているjudo.3.0の10年という節目に対し何か貢献しようと思ったこと、そしてもう1つは、現在囁かれている日本の柔道人口の低下に対して、一石を投じることがあった。そして、その静かなる目標を持つ中で3月11日に初めてのzoom会議が行われた。その会議を進行する中で、大阪での開催が決まり、酒井先生を中心としたjudo3.0に参加する関西と四国の先生を中心に企画は練られていった。参加する先生の仕事は様々で、最初は月に1度のペースであったか月曜の20時から会議を進めた。場所の確保、内容の精選、タイムテーブル、資金、広告協賛、そしてターゲット・・・

会議の内容は多岐にわたった。それぞれの先生方の頭の中に、イメージや内容はしっかりとあったものの、それを皆が共有すること、また具現化していくことの難しさに頭を悩ませていた。今だからこそ言えるが、会議の日は心が重く空中分解するのではないかと危惧することさえあった。その詳しい理由は後述する。またこのイベントの名前を決めることにも苦慮した。堅苦しくない、しかし柔道のイメージや大阪のイメージを消さないもの。皆で話し合いきまったのが「はじめての柔道ばんぱくin大阪」というものだった。ターゲットも初心者を中心に、しかも他のスポーツイベントとタイアップすることもない、今までに例を見ない柔道だけの、しかし柔道衣を着ないでも楽しめる家族のお出かけイベントとして考えていくことになった。この時は決まったものの先の見えない不安でいっぱいであった。

日を追うごとに少しずつ会議の間隔は短くなっていき、最終的には2週間に1回までになっていった。その間も、イベントの統括、渉外担当、会計担当など様々な役割分担が決められ、それぞれがその持ち場を中心に知恵を出し合い、今回のイベントを大きなものにしてっていった。しかし肝心のイベント申し込みが伸びてこない。メンバーの心に、そのことが暗い影を落としていった。それぞれが成功を夢見るが、前例がないこと、運営の資金、そして当日の参加者数など不安の中で進める会議、中々一つにまとまらないことも皆の心を苦しめていった。

しかし、熱き志を持ってここに臨んだ先生方は折れずに、じっくりと、そして冷静に会議に向きあった。経験者から考える視点、初心者としての目線、保護者として自分が参加者としての視点など、出来うるシュミレーションを幾度となく考えzoom内で議論した。多くの先生や企業の支援、大阪府教育委員会、大阪府柔道連盟、大阪府道場連盟などの後援も受けることができ、多くの人の支えで、その日を迎えた。一番懸念されていた参加者数であったが、少しずつ申込者数は増えていき、幼い親子を中心にトータル160人近い参加者が修道館に足を運んでくれた。その中で特に多くの留学生を参加させてくれたプロジェクトメンバーの津田先生の関係であるエール学園の存在は、メンバーの心を励ましてくれた。

そして当日は、様々なブースを出し、先生方一人ひとりの力が存分に発揮されたものになった。まさしくそれは、会議の最初に頭にあったものをそれぞれが具現化したように感じた。会議が進まなくても、一人ひとりの頭の中には、ここまでしっかりとビジョンがあったのかと本当に尊敬と憧れの気持ちを抱かせてもらった。午後からの開催であったが、子どもたちや大人も楽しめる柔道のイベントとして一定の成果が上げられたよう思えるイベントであった。また柔道のイベントの中に、ID柔道や、柔術の寝技ブースなど、様々な柔道を楽しめるイベントを企画できたことが心から嬉しく、また自分自身も勉強になった。

今回のイベントを通して、同じ志を持った先生方と心深く通じ合えたこと、柔道を深く探求できたこと、また多くの人に柔道の魅力を伝えることが出来たことは本当に自分の財産になった。
最後になるが、このイベントを企画するにあたり、一緒になって頑張ることができた先生方、当日応援に駆けつけてくれた先生方、広告協賛してくれた各企業や代表の方、後援してくれた組織、宣伝してくれた方々、本当に心より感謝申し上げます。

浅見友記夫 プロジェクトリーダー

「柔道のすばらしさを伝えたい」田邊智彦(明武館田邊道場)

柔道の素晴らしさについて、もっと多くの方に知っていただきたい – そんな思いから、今回のイベント運営に参加させていただきました。これまでの柔道イベントは、どうしても柔道を習っているお子さんたちが中心でした。でも、柔道を全く知らない方にこそ、その魅力を感じてほしい。そう考えながらも、どうやって柔道を知らない方々に足を運んでいただけるか、悩みました。

私たちが今回特に大切にしたかったのは、勝ち負けだけではない、柔道の多様な魅力です。子どもたちの健やかな成長を支える体づくりとしての柔道、そして日常生活でも活かせる学びの場としての柔道。さらに、創始者・嘉納治五郎先生が説いた「精力善用・自他共栄」という教育的な側面を、できるだけ自然な形で伝えていきたいと考えました。

何より嬉しかったのは、参加してくださった皆様から「柔道って楽しい!」という声をたくさんいただけたことです。この経験をきっかけに、地元の道場に興味を持ってくださる方が現れたことも大きな喜びでした。これからも、柔道とあまり接点がない人々に向けて、柔道の魅力を伝える場が少しずつ増えていってくれたらと願っております。

最後になりましたが、イベントの開催のため各方面に協力を依頼させていただき、私たちの思いに共感してくださった団体・個人の皆様の協賛、後援、協力のおかげで、このイベントを形にすることができました。心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

田邊智彦 プロジェクト副リーダー

プロジェクトについて

ダイジェスト動画

柔道の体験会に156名が参加!9つの魅力とは?はじめての柔道ばんぱくin大阪城ダイジェスト映像

イベント報告

なぜ柔道の体験会に156名もの人々が参加したか?はじめての柔道ばんぱくin大阪城レポート

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