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島根じごろうキッズを訪問して-幼児の柔道の指導法-

島根県益田市の「よしじいとしゅうばあのじごろうキッズ」(じごろうキッズ)を訪問した静岡の筒井ジュン先生にお話を伺いました。

じごろうキッズは、幼稚園に出張して柔道教室を開催したり、インクルーシブな柔道練習会を開催したりしており、幼児向けに独自の受身と礼法のプロラムを開発、最盛期は15の幼稚園・保育園を訪問して月250名以上の幼児を指導しています。

judo3.0では、じごろうキッズの取り組みが多くの皆様の参考になると思い、書籍「誰一人取り残さない柔道 柔道人口が増える3つの視点」で特集を組んだり、幼児の指導法ワークショップに講師としてご登壇いただいたりしています。

2023年6月、静岡の筒井ジュン先生がじごろうキッズを実際に訪問されたので、現場の様子についてインタビューさせていただきました。

〇じごろうキッズを訪問しようと思ったきっかけを教えてください。

今年1月28日、judo3.0が主催した幼児の指導法ワークショップに参加しました。そこで講師のじごろうキッズの矢冨修子先生から指導法を学んだのですが、その内容がとても参考になり、実際の現場を見て学びたいと思うようになりました。

参考:【活動報告】幼児の指導法ワークショップに17都道府県から38名が参加

そんなとき、地元の放課後等デイサービスで運動指導をすることになったので、子供達に受身を中核とした運動指導ができたらと思い、1月のワークショップで学んだじごろうキッズの指導法やプログラムをもっと学びたいと思いました。

そこで、矢冨先生に連絡をとって日程を調整し、6月に1泊2日で訪問しました。

〇どのような現場を訪問したのでしょうか。

出張して幼稚園で指導している様子と、障害のある子供や大人の柔道練習会「じごろうキッズスペシャル」を見学しました。

幼稚園のほうは月1回、年12回のプログラムで出張指導されており、今年の4月から指導したクラスで十数名の幼児が参加しており、今回が3回目とのこと。

練習会のほうは、以前に放課後等デイサービスに出張指導していたときの生徒で、その出張指導が終了してからも「継続して柔道を習いたい」という方々が参加しているそうです。

〇現場で印象的だったことは何でしょうか。

今年1月の矢冨先生の幼児の指導法ワークショップに参加していたので、どのようなプログラムなのか、どのような点がポイントなのかはある程度知っていましたが、実際に現場を見ると、いろいろと気づきがありました。

一つ目は、間の取り方がうまいことです。テンポがよく、間延びすることなく、幼児が飽きずに、最後まで楽しそうにやっています。幼児に分かるような言葉遣いをすること、そして、同じことを何度もやらせないことが大事であることが分かりました。例えば、私だったら「後ろ受身10回やろう」とか言ってしまうかもしれませんが、それだと幼児は飽きてしまいます。飽きる前にポンポンと次のプログラムに行くことが大事だと思いました。

二つ目は、受身について、座り方から教えて、丁寧に段階的に指導していたことです。足を伸ばした長座の姿勢から後ろ受身をしたら、次は蹲踞の姿勢から後ろ受身をする、という風に段階的に受身を教えていきますが、長座の姿勢はどういうものか、蹲踞の姿勢はどういうものか、そこから指導されていました。受身を教えるとき、起点となる姿勢、長座、蹲踞などを教える必要があることに気づかされました。

三つ目は、イラストが入ったカードなどを使って、視覚的に分かりやすいようにしていた点です。その日の練習メニューがイラストで描いてあったり、前転やエビなどの動きがイラストになったカードを示したりして、見て分かる、ということが大切にされていました。

最後に、最も印象的だったことは、子供や参加者がみんな笑顔で、「すごく楽しかった」と言って帰っていたことです。やらされているのではなく、自分でやりたくてやっている、ということが分かり、また、子供達は先生が好きなんだなということも伝わってきました。

また、自分もじごろうキッズのクラスに参加して、よく笑って、楽しかったので、楽しいって本当に重要で大切なんだと再確認しました。

〇じごろうキッズを見てから、何かご自身の指導に変化がありましたか。

少年柔道クラブでの指導のほか、放課後等デイサービスでも運動指導を始めましたが、放課後等デイサービスのほうは受身を中心としたプログラムにしようと思い、じごろうキッズのプログラムを参考にさせていただいています。

また、楽しいということがとても大事ということが印象深く残っているので、指導するとき、「楽しそうにしているかな」と子供の表情をこれまで以上に見るようになった、と感じています。

矢冨修子氏のコメント

静岡から島根県益田市に来てくださり、そして、じごろうキッズの活動を見ていただいただけですが、このような学びにつなげていただき、本当に感謝です。思いをもって活動されているからこそ学ぶことが多かったのではないかと思いました。保育園の子供は筒井先生の来園ととても喜んでおり、またじごろうキッズスペシャルでは筒井先生に技の講習を行っていただき、次の練習のときも生徒は教えていただいた技を一生懸命に練習していました。筒井先生は身体の仕組みに詳しく、私も学ばせていただきました。改めて、島根に来てくださったことに感謝です。じごろうキッズではいつでも見学を歓迎しております。気軽にお越しいただけたら幸いです。

【参考動画】じごろうキッズの幼児の指導法プログラム

【1/4】幼児への柔道の指導法ワークショップ2023.1.28

【2/4】幼児への柔道の指導法ワークショップ2023.1.28

【3/4】幼児への柔道指導法ワークショップ2023.1.28

【4/4】幼児への柔道の指導法ワークショップ2023.1.28

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