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暗い闇の中にいたら柔道があることを教えてあげたい。保護者が語る発達障害と柔道

2023年2月17日(金)の3.0オンラインカフェは、4月2日の世界自閉症啓発デーの啓発イベントとして、保護者の方2名にご登壇いただき、発達障害や柔道をテーマにお話をいただきました。お話の概要は以下の通りです。

お話1

20代の自閉スペクトラム症の息子のお話です。彼は小学校の頃は水泳をしていました。背泳ぎを得意として、水を楽しむことが好きでした。中学校では美術部に入り、高校では特別支援学校の陸上部に所属しました。彼は体を動かすことが苦手で、模倣も苦手です。言葉だけの説明では理解しにくい面がありますが、見たら分かります。

彼は高校卒業後、清掃員として働いています。平日は職場で働き、週末は一人で過ごすことが多いです。人と関わることが苦手なので、普通に見えたとしても、とても頑張っているため疲れていると思います。

彼の課題は感情のコントロールが難しいことです。こだわりもあり、イライラや怒りをどのように解消していくかが課題でした。思い返せば、体を動かして体力を使うと発散するようです。今は歩くことが好きなようで、1、2時間歩くこともよくあります。中学校のとき感情のコントロールがうまくできず大変だったのですが、当時は美術部に入っていたので、もし運動部に入っていたら違っていたかもしれないと思いました。

お話2

グレーゾーンの小学生の息子のお話です。5年間柔道をしています。彼は相手の言葉はスムーズに理解できるが、自分の気持ちを言葉や身体で表現することが難しく、できないことにイライラし、相手にぶつかったり、トラブルを起こしたりすることが多かったです。

信頼できる柔道の先生に会い、柔道を始めてみることになりました。当初はすぐに諦めてしまったり、試合で負けて泣いてしまうこともありました。親としても「この子には柔道は無理なのかな」と悩むこともありましたが、本人は「柔道を辞めたくない」と言って諦めませんでした。

学校では自分が理解されていないと感じることが多く、イライラや暴言が出ることがありますが、道場では理解されていると感じることが多く、対人関係を築くことができました。分け隔てなく指導してもらえることがうれしく、試合の経験もたくさん積むことができ、本人は次第に自分に自信を持つようになり、学校でもトラブルが減り、友達も増えました。

また、これまでは「常に自分がついていなければいけない」と思っていたのですが、本人は県外の合宿に参加させていただき、はじめて親と離れました。心配したのですが「楽しかった」と言って帰ってきました。とても大きなものをもらいました。

自信がなかった息子が自信をもてるようになったのは柔道のおかげです。以前の自分達のように発達の凸凹の起因して暗い闇にいるご家族がいらっしゃったら、「柔道があるよ」と教えてあげたいです。

参加者ディスカッション

以上の保護者2名のお話を受けて、質疑応答や参加者同士の話し合いを行い、発達障害や柔道についての理解を深めることができました。

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