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“Judo For All”を実現したクロアチアのクラブを訪問して

“Judo For All”、年齢、性別、障がいの有無に関係なく、誰もが柔道に親しめる環境を目指す活動は、日本でも海外でも行われているようです。

全日本柔道連盟においても、長期育成指針を策定して、「当連盟では、「JUDO for ALL」を合言葉に、年齢、性別、障がいの有無の分け隔てなく、誰もが柔道に親しめる環境づくりに注力しております。この取組を推進し、あらゆる人が多様な柔道の価値を享受できる体制を構築することが、柔道界が担う社会的役割であるといえます」と述べています。

もっとも、誰しもが柔道に親しめる環境づくりは簡単なものではありません。それでは、”Judo For All”を目指すにあたり、模範や理想、参考になる事例にはどのようなものがあるでしょうか?

この点、ヨーロッパの様々なスポーツ活動において、インクルーシブという点で最も優れているものに贈られる賞「#BeInclusive EU Sport Awards」を2018年に受賞したのがクロアチアのフジ柔道クラブです。

#BeInclusive EU Sport Awards 2018 – Judo team Fuji

フジ柔道クラブは、2012年にマリーナ・ドラスコビッチ先生によって設立され、脳性まひ、ダウン症、知的障害、自閉症などの様々な障害をもったメンバーに対して無料で柔道を教えており、また障害のないメンバーが障害のあるメンバーの「受」として参加しています。

その取り組みはドキュメンタリー映画「Fuji」にもなり、クロアチア在住の総合格闘家で北京オリンピック柔道の金メダリスト、石井慧先生がナレーションをしたことでも話題となりました。

 

Mini-Documentary – Fuji – Official Trailer

フジ柔道クラブでは様々な障害のある人々が柔道を親しんでいますが、車いすで移動す脳性まひの生徒でも柔道の形ができるよう、形に工夫を凝らしており、形の披露をする点でも有名です。

子供を柔道に合わせるのではなく、柔道を子供に合わせる取組みは高く評価されており、2022年のカデのヨーロッパ選手権では、フジ柔道クラブの脳性まひの生徒が投げの形を披露しました。

Adapted Judo Demonstration by Judo Team Fuji – Cadet European Judo Championships 2022, Croatia

 

そのフジ柔道クラブを2023年9月に訪問して視察したのが、大阪府枚方市の社会福祉法人わらしべ会の辻和也先生や職員の皆様です。

現在、日本で脳性まひの子供たちの柔道を見かけることはなく、スポーツ・柔道を通じて社会を包摂するという取り組みについてヨーロッパ諸国が大分進んでいるようですが、脳性まひの子供の柔道について日本がトップランナーだった時期がありました。それが、社会福祉法人わらしべ会の創設者、脳性麻痺の治療を行っていた村井医師の1970年から1990年代にかけて行われた脳性まひの子供の柔道の研究と実践です。

生徒の高齢化によって脳性まひの生徒はいなくなりましたが、現在もわらしべ会は障害のある人々が参加する「わらしべ会障害者柔道教室」を運営されています。

以前に脳性まひの柔道に取り組み、現在も「わらしべ会障害者柔道教室」を運営する辻先生はじめわらしべ会の職員の皆様がクロアチアのフジ柔道クラブを視察し、何を見出したのか。

2023年12月8日(金)の3.0オンラインカフェでフジ柔道クラブを視察した辻和也先生にお越しいただき、視察報告をいただきました。

主に以下の点についてお話をいただいております。

  • フジ柔道クラブの概要
  • 脳性まひの子供への運動プログラム
  • 自閉症、知的障害、健常者など様々なクラスの運用
  • クラブのマネジメント
  • 質疑応答
"Judo For All"を体現したクロアチアの柔道クラブを訪問して

 

“Judo For All”を目指す皆様にとっては示唆に富む内容になっています。ぜひご覧ください。

 

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