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柔道を核とした公民館を作る-菅野裕之氏(葵陽塾)-部活の地域移行

2023年1月6日(金)、宇都宮の葵陽塾(きようじゅく)の菅野裕之先生に登壇いただき、「私が葵陽塾を立ち上げた理由 多様性の時代のなか、「柔道」で何をしていきたいか」というテーマで講演をいただきました。

2023年の3.0オンラインカフェは「クラブと部活のこれから-部活の地域移行-」を特別のテーマとして、毎月第1金曜日にこのテーマで学び合っていけたらと思っています。その第1弾が今回となります。

講演の動画

柔道を核とした公民館をつくる-菅野裕之氏(葵陽塾)-部活の地域移行1

講義の概要

  • ご自身の経歴、中学校の教員として様々な部活を担当した経緯などを紹介しながら、「僕なんかが柔道教室を立ち上げていいのか?」という自分自身の声と向き合ったこと。
  • 新しく立ち上げた葵陽塾のクラスの内容について。生涯スポーツか、競技スポーツか、子供の初心者か、大人の初心者か、様々な選択肢がある中でのコース別の教室を開講。キッズ(幼児~小学3年生まで)、ジュニア(小学4年生~中学3年生)、ビギナー(高校以上の初心者)、フリーの4コース、それぞれのコースの特長について。
  • 運営について。構成員と全柔連登録者との関係、会費、宣伝(チラシ・SNSなど)などの詳細。
  • 様々な地域貢献活動について。また目指している「柔道を核とした公民館」について。

ここに注目!

3.0マガジン編集部が注目したおすすめポイントはこちら

  1. 中学校の教員が柔道クラブを立ち上げた経緯、そして、柔道選手として際立った実績を持つわけではないのに柔道クラブを立ち上げていいのか、という葛藤が語られています。学校の教員の皆様、そして、「将来柔道クラブを立ち上げたいけど自分には、、」と思っている皆様にとっては、やりたいことがどうやったらできるようになるのか、具体的に考えることができるようになると思います。
  2. 「柔道がもっと普及してほしい」と思っている皆様にとっては、その具体的な方法を学ぶことができます。葵陽塾の大きな特徴の一つは、大人が参加できるようにしたこと、さらに、経験者と初心者を一緒にするのではなく、大人の初心者向けのコースを別に用意した点にあります。大人が参加して柔道ができるクラブはもともと少なく、あったとしても、経験者の大人が集まって稽古するケースが大半だと思いますが、葵陽塾の取り組みは大人に柔道を広めていくうえで何が大切なのかを示していると思います。
  3. 他の柔道クラブや柔道部に所属している子供も、所属の先生の了解を得て、葵陽塾に稽古に来たり、特別支援学級の子供や高齢者に出張柔道教室を開催したりするなど、柔道を核として多様な関係者と多様な関係を築いています。葵陽塾は「社会教育機関」として効果がある柔道クラブを追求しており、その理想を「柔道を核とした公民館」とお話されています。「柔道は人間教育」とよく言われますが、「これからどのような人間教育がいいのか?」という問いを持っている方々にとっては、社会教育機関としての柔道クラブがどのようなカタチになるのか、一つの実例から多くの気づきをいただけると思います。

「柔道を核とした公民館」というコンセプトとその実践に参加者の多くが衝撃を受けた講義でした。参加者からは「私がやりたいと思っていたことが既に実行されている」「私も葵陽塾のような塾を作りたい」「真似したい」という声が聞かれました。

ドイツには100年以上続くスポーツクラブがざらにあり、長く続くと自然と会員が1000人以上になっていたりして、地域に根付いた存在になっていくそうです。部活の地域移行が始まり、地域に根付いた柔道クラブ、100年続く柔道クラブを作っていくことがこれからの日本の課題になると思いますが、葵陽塾は、地域の「公民館」として、子供から大人まで、障害があったり高齢であったり、初心者であったり、経験者であったり、多様な人々と多様な関係を築こうとしており、設立1年ですが、葵陽塾の取り組みから、それぞれの対象のニーズに即したプログラムや環境、イベントを作り、関係者を広げていくことが社会教育機関として地域に根付くクラブのポイントとなるのではないか、と思いました(3.0マガジン編集部)。

葵陽塾の詳細は、WEB ツイッター インスタを参照ください。

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