「生涯柔道を考える-ドイツ柔道連盟の取り組みを事例に-」(第2回フォーラムレポート3)
概要
- 2017年4月30日に開催された第2回フォーラムJUDO3.0のゲストスピーカー、マーヤ・ソリドーワルさまの講演「生涯柔道を考える-ドイツ柔道連盟の取り組みを事例に-」を伺った参加者(酒井)のレポートです。
- 講演から個人的に学んだことについてのレポートです。ゲストスピーカーが実際にお話した内容とは異なりますのでご注意ください。
- タイトル「「生涯柔道を考える-ドイツ柔道連盟の取り組みを事例に-」マーヤ・ソリドーワルさまの講演を伺って
ドイツの柔道
登録人口が15万人、登録クラブが2742、50%以上が7~15歳の子供で占めるというドイツの柔道では、日本と異なり、初心者や生涯スポーツとして柔道を続ける人が多いそう。それはなぜか。子供、大人問わず、初心者が柔道をはじめて、また継続していくためにドイツ柔道連盟がしていること、それはとてもシンプルだった。それは、
- 柔道を学びたい人が、何を学んだからいいか、を明確にして
- 学んだら評価する
ということ。逆に言うと、ドイツとの対比で鮮やかになったのは、日本は
- 柔道を学びたい人が、何を学んだらいいか、分からない(統一プログラムがなく、各道場に委ねられている)
- 学んでも評価されない、
という現状だった。
ドイツでは、
- 8段階の全国統一の昇級審査(8段階の学習プログラム)がある。
- 段階ごとに身につける技や知識が決まっており、試合の勝敗問わず、それを身につけたら級が上がる。
- 段階的な学習プログラムがあるため重大事故が少ない
他方、日本では、
- 統一の昇級審査がない(統一の段階的な学習プログラムがない)。各道場に委ねられている。
- 新しい技や知識を身につけても、試合に勝たないと昇段できない。
- 段階的な学習プログラムがないから重大事故が多い
日本は技術の習得を評価しない。
試合に勝たないと評価されない。
なお、一長一短があるとのことで、ドイツは、日本と比較して、初心者や柔道を高齢になっても継続する人は多いが、国際大会での競技成績は芳しくなく、他方、日本は、初心者や柔道を高齢になっても継続する人は少ないが、国際大会での競技成績はいいとのこと。ただ、一長一短があっても「裾野をひろげる」ために何をすべきかを学べたことは本当にありがたかった。
酒井重義
#柔道レガシー
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