挑戦する人を応援する大会とは?名古屋ビギナー親善柔道大会レポート

2025年3月1日(土)、名古屋介護系柔道部柔道場(名古屋市南区)にて、名古屋ビギナー親善柔道大会が開催されました。「試合に出るのが怖い」ビギナーに対して熟練者と対戦して「いい技をかけたら相手を投げることができる」というルールで運営される大会です。
2024年6月に東京で試験的に開催され、参加者から高く評価され、ニーズがあることが確認できたので、「この機会を広げよう」ということで、名古屋介護系柔道部の協力をいただき、名古屋での開催となりました。
当日は11名の参加者、20名のスタッフが集い、1名3試合、合計33試合が行われました。その様子はこちらのダイジェスト動画をご覧ください。
昨年の東京での大会との違いは、10代の参加者が数名いらっしゃったこと。
大人の場合、稽古できる環境が少なく、仕事もあるため、柔道を習い始めても頻繁に稽古ができず、上達が遅く、いつまでたっても受身がしっかりとれないため、「試合に出たいけど、試合に出るのが怖い」という状況になりがちです。
他方、10代の場合、柔道クラブや学校柔道部に所属すると、ある程度頻度が高く稽古できることが多いため、大人と比較すると稽古の環境が整っていると言えます。
したがって、大人の初心者のニーズから始まった本大会が10代の参加者の皆様に価値を提供できるかが一つの課題でしたが、当日の参加者の発言や無記名でいただいたアンケートの回答を見る限り、この大会に参加してよかった、ということは10代も20代以降も変わらない結果になりました。
ある10代の参加者は、この大会後、「これまで関心がなかったが、昇段して黒帯をとりたくなった」と気持ちの変化を話していたそうです。
参加者の試合が終わった後は、全日本強化選手である羽生裕司氏と鈴木健太郎氏による極の形が披露されました。参加者、スタッフともに、映像で見たことはあっても生で見たことはない、という方がほとんどでしたが、音を出すことが憚られるような緊張感の中で、選手による形の演武に見入っていました。
その後、全日本柔道連盟の長期育成指針コーディネータである杉田リユ氏から、長期育成指針の意義などについて解説をいただき、参加者と質疑応答をしました。
最後に、3名に技能賞が、そして、参加者全員に、対戦相手3名からの激励のコメントが入った色紙とjudo3.0の制作した書籍(誰一人取り残さない柔道 柔道人口が増える3つの視点)が授与され、それぞれの参加者から本日の感想が話されました。
本大会は運営に協力くださる受や審判、会場係などの協力によって成り立っています。名古屋ビギナー親善柔道大会2025実行員会の皆様に心より感謝申し上げます。
名古屋ビギナー親善柔道大会2025実行員会
安藤南美氏 安藤祥一氏 内田絋味氏 川戸円氏 木村綾乃氏 楠山光一氏 佐々木雄一郎氏 酒井重義氏 鈴木健太郎氏 杉田リユ氏 瀬古里美氏 染井紀子氏 竹上勝氏 堀内美穂氏 寺西康吏氏 中村優希氏 羽生裕司氏 森部雅規氏 柳谷弘子氏 吉田里子氏(あいうえお順)
