島根のスペシャルオリンピックス2023柔道大会のムービー
2023年10月7,8日、島根県江津市の少年自然の家にて、スペシャルオリンピックス日本・島根が主催し、柔道競技会が開催されました。スペシャルオリンピックス(SO)とは米国発祥の知的障害のある人々の国際スポーツ組織です。
知的障害のある人の柔道大会は、基本的にSOが主催する大会と、全柔連が主催する大会、2種類あります。今回はこのSOが主催する大会で、SO島根の柔道関係者が企画し、島根と広島のメンバーが参加して開催されました。当日の雰囲気が3分で分かるダイジェスト動画、ご覧いただけたら幸いです。
知的障がい者柔道について
島根の特長とID柔道の可能性
SOの柔道が行われている都道府県は少なく、開催されていたとしても県内1か所というのが通常のところ、島根の特長は、松江、出雲、江津、浜田という4か所で開催されているところ。日本一盛んな県かもしれません。1泊2泊で開催されたこの競技大会、1日目の夜、judo3.0の酒井が「誰一人取り残さない柔道」をテーマに講演させていただきました。
日本の知的障害のある人々の柔道の最大の特長は、特別のルールを作ったことです。嘉納治五郎先生は、様々な古流の柔術の良さを取り入れ、良くないところを取り除いて、柔道を作りましたが、同様に、全柔連の関係者の皆様が、現在の柔道の危険な部分、良くない部分を取り除き、柔道の本来の良さを活かしてルールを作りました。いわば、新しい柔道を作ったようなものです。安全であることがますます重要になっている現代において、「ケガをしない柔道」(ケガをしにくい柔道)が作られたのですが、これは当然ながら、知的障害のある人々だけが求めているものではありません。
もし「「ケガをするかもしれない柔道の大会」と「ケガをしない柔道の大会」、どちらに出場しますか?ただ、後者の「ケガをしない柔道の大会」では、投げたとき、投げた人は立っていなければならない、というルールのため、巻き込み技はもちろん、捨て身技もできません、どちらがいいでしょうか?」と選べるようになったら、後者を選ぶ人がたくさんいると思います。
例えば、「仕事に影響が出るようなケガはできないので、出たいけど大会には出ない」という大人の柔道愛好家の多くはこちらを選ぶのではないでしょうか。この柔道は、2018年に「知的障がい者柔道」という枠の中で生まれましたが、もしこの枠を超えていくことができたら、より多くの人が柔道にアクセスできるようになる。これからのSO柔道・ID柔道の活動が楽しみです。