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公立中学校で柔道部員が増えた理由 -ポジティブ柔道!さぁ部活に入ろう!浅見友記夫氏(大阪)

2022 年 2 月 18 日金曜日、 3.0 オンラインカフェにて、「ポジティブ柔道!さぁ部活に入ろう!公立中学校で柔道部員が増えた理由」という題名で、浅見友記夫先生(大阪・公立中学校教諭)からお話を伺いました。

動画

公立中学校で柔道部員が増えた理由 -ポジティブ柔道!さぁ部活に入ろう!-浅見友記夫氏(大阪)

参加者レポート

以下、参加者として特に印象的だった点を記していきたいと思います(3.0編集部)。

なお、下記は浅見先生のお話の一部分であり、また一参加者としての視点から理解した限りのものであり、講師のお話を正確に伝えるものではありません。ご注意ください。

当初2名だった中学柔道部が試行錯誤をして23名まで増えたということですが、特に印象的だったのは、①新入生を勧誘するプロセスと②生徒と保護者との接し方についてです。

新入生を勧誘するプロセス

先輩のよる寸劇

春先に、先輩である中学2年生、3年生が、新入生である中学1年生に対して、部活動紹介をする機会がありますが、そこで、柔道部の先輩が柔道部を紹介する寸劇・コントを実施したそうです。

その5分程度の動画を見せていただきましたが、生徒が伸び伸びと寸劇しており、先生から指示されて行った、つまり「やらされた」という感じがしません。

実際、浅見先生は指示しておらず、生徒が自分達で筋書を考え、役作りをして、演じているそうです。
この寸劇を見たら、生徒が伸び伸びと活動できる柔道部であることが伝わってくるし、「とりあえず道場に見学にいってみよう」という気になると思いました。

「挑戦カード」(見学者の段階的な学習プラン)

新入生が道場まで見学に来たらしめたもので、見学者には「挑戦カード」という紙を渡すそうですが、そこには「レベル1:座礼立礼」、「レベル2:後ろ受身」という形でレベル5まで記載されており、一つのレベルをクリアすると判子をもらうようになっています。

はじめて道場に見学に来た新入生は、レベル1の座礼立礼を先輩から習い、判子をもらってレベル1をクリアした状態になりますが、見学者の多くは、せっかくレベル1をクリアしたわけだから、レベル2にも挑戦したくなります。

そうすると、次の日も見学に来て、レベル2の後ろ受身を先輩から習い、判子をもらって、レベル2をクリアすることになります。

柔道部に誘う上で重要なポイントは、次に何をしたら自分が前に進むのか、を明確に示すこと、さらに、柔道部に入部する前の段階でそれを提示して、「柔道に関心がある」という段階の生徒に対して、ステップアップする体験を提供すること、という学びをいただきました。これは多くの柔道クラブでも活用できる知恵ではないでしょうか。

レベルアップで柔道着のプレゼント

そして、浅見先生は近隣の高校から使わなくなった柔道着を集めており、生徒がレベル4まで行くと、柔道着を無償で貸与します。頑張ってレベルを上げていったところで柔道着をプレゼントされたら、「柔道を続けようかな」「入部しようか」と思いますね。素敵な取り組みだと思いました。

先生ではなく、先輩が新入生に指導

もう一つ大事な点は、この見学に来た新入生のレベルアップは、浅見先生ではなく、中学2,3年生の柔道部の先輩が教えているということ。新入生にとってはどんな先輩がいるか、入部したら先輩とどのように関わるのか、を知る機会になり、また、中学2,3年生にとっては「教える」という経験を積むことができ、先輩として自覚や責任感を育むことになります。

このとき、指導者が我慢して見守ること、中学2,3年生が見学者に教えているとき、「そうじゃない。こうだ」などと言って、先輩の面子をつぶさないことが大事とのことでした。

生徒との個別の対話と保護者への連絡

新入生を勧誘するプロセス以外でも、日常の部活動の指導におけるポイントをいろいろお話しくださいましたが、特に印象に残った点は、生徒との個別の対話と保護者への連絡を大事にしているとのことでした。

生徒一人一人と個別に話をする機会を持つことで生徒と信頼関係を育むことができること、そして、生徒と話した内容を保護者と情報共有をして、先生と保護者が良好な関係を保ち、同じ目線で子供と関わることができるようにすることが大事とのことです。

驚いたことに、生徒と個別に話をしたら、生徒が帰宅する前に保護者に伝えるようにしているそうです。

全体を通じて、生徒が伸び伸びと柔道できる環境を作り、「好きこそものの上手なれ」という言葉の通り、柔道を好きになって夢中になってやってほしい、という方針で運営されていることが伝わってきましたが、そのような考えに至るきっかけの一つとして、ハワイの道場に行ったとき、人々が本当に楽しそうに柔道をしている様子が印象深かったそうです。

以上、浅見先生のお話を伺い、一参加者として特に印象に残った点をピックアップしてみました。ご参考になったら幸いです(3.0マガジン編集部)。

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