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世界中が柔道の精神を共有したら、争いのない素敵な世界になる-畳を贈ってモンゴルを訪問して-津田明宏氏

NPO法人judo3.0は、モンゴルの道場に畳を贈り、国際柔道交流を進めていこうというプロジェクトを立ち上げ、多くの皆様の協力をいただき、2023年9月、モンゴルに畳を寄贈、そして、2024年9月、寄贈した畳が敷かれた道場にて、国際柔道大会が開催され、日本の生徒や関係者がモンゴルに行きました。その報告会が2024年11月に開催されましたので、以下、その報告の内容を動画と記事にてご案内します。

動画

モンゴルを行って柔道をしよう!プロジェクト帰国報告-津田明宏氏

報告

私は、2022年11月から開始されたモンゴルへの柔道畳支援プロジェクトのメンバーとして活動し、2024年9月11日から16日にかけてモンゴルを訪問した。

プロジェクトの経緯と実績

2023年、全国から386枚の畳が集められ、そのうち40枚は私の母校である同志社香里中学高校から提供された。プロジェクトメンバーによってクラウドファンディングが実施され、2023年8月に神戸港からウランバートルへ畳が輸送された。同年10月には、モンゴル国内の3施設に畳が設置された。

現地訪問の目的

今回の渡航には3つの主要な目的があった:

  1. 畳を提供したモンゴル国体育大学、視覚障碍者協会、特別支援学校への訪問と交流
  2. MJ協会(日本モンゴル柔道友好協会)の柔道場訪問
  3. 清水武典杯日本モンゴル国際少年柔道大会への参加

特別支援学校での畳の活動

畳が寄贈された特別支援学校では、子供たちが畳の上で生き生きと活動する様子が見られた。校内は明るい雰囲気で、廊下の壁には可愛らしい絵が飾られ、教室にはカラフルな机が配置されており、学習環境全体が非常に明るく活気に満ちていた。

視覚障碍者協会での畳の活用

障碍者協会には80枚の畳が設置され、これにより地方からの障害者の方々や、パラリンピック選手の練習が可能になった。2023年10月には、モンゴル全国の障害者柔道大会が開催されるなど、畳の設置による具体的な成果が表れている。

MJ協会道場の訪問

2017年に完成したMJ協会の道場は、レスリング場と柔道場を併設し、約300人の練習生が日々活動している。また、道場内には図書室も設置され、子供たちの学びの場としても活用されている。

モンゴル国体育大学での畳の活用

体育大学では、支援者の名前を刻んだ立派な銘板が設置され、地下には広いスペースに畳が敷かれた。この施設では、日常の練習に加え、国際少年柔道大会の開催も可能となった。特別支援学校の生徒との合同練習も実施され、障害の有無を超えた交流が実現している。

国際少年柔道大会の開催

清水武典杯日本モンゴル国際少年柔道大会には約150名が参加し、日本からは熊本中央高校の女子柔道部員8名と引率者1名が参加した。大会の様子はモンゴル国営放送のニュースでも取り上げられ、日本選手団は優勝、準優勝など優秀な成績を収めた。

交流活動の広がり

滞在中には、モンゴル国体育大学の総長、学長、副学長、大使館関係者との会食や、元在モンゴル日本国特命全権大使の清水武典氏との会食が行われた。また、在モンゴル日本大使館とモンゴル大使館からの感謝状も授与された。

プロジェクトの成果と今後の展望

このプロジェクトを通じて、柔道畳の寄贈がモンゴル側で非常に重要な支援として受け止められていることが確認された。わずか4日間の滞在であったが、国籍、性別、障害の有無を超えた相互理解と信頼関係の構築が実現した。参加者からは「世界中が柔道の精神を共有することができたら、争いのない素敵な世界になる」という感想も寄せられた。

今後の展望として、日本の特別支援学校での畳の活用や、モンゴルからの留学生受け入れ支援などが検討されている。また、現地のMJ協会関係者との継続的な交流も計画されている。

2年間にわたるこのプロジェクトは、多くの関係者の協力によって成功裏に進められた。このような国際的な柔道交流の経験は、参加者にとって貴重な財産となっている。

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