柔道の体験会に156名が参加!はじめての柔道ばんぱくin大阪城イベントレポート
NPO法人judo3.0は、2024年11月16日(土)、大阪市立修道館にて、柔道の体験会「はじめての柔道ばんぱくin大阪城」を開催し、156名の皆様に参加いただきました。以下、イベントの狙いや内容、その結果などについて報告いたします。
課題:「一般的な柔道の体験会では人はあまり集まらない」
本イベントは、2024年2月、近畿、中部、四国地区の有志が集まり、judo3.0の活動10年目を契機として、「柔道は敷居が高くて気軽に関わることが難しい。この敷居を下げて、これまで柔道と接点がなかった人々が柔道に触れる機会を作ることができないだろうか」という問いから生まれました。「一般的な柔道の体験会では人はあまり集まらない。広く人々に柔道の魅力を伝える方法がないだろうか」と話し合いを重ね、最終的に以下のような内容になりました。
- 「家族のお出かけイベント」「休日のお出かけイベント」として、お子さんを連れた親子や、休日を有意義に過ごしたい人々が、休日に気軽に安全に楽しむことができるイベントにする。
- 「テレビで見るような柔道は自分には難しい」と思っている方に対しても、柔道には多面的な魅力があることを伝え、テレビで見るだけでは分からない、柔道についての関心や理解を深めていただくイベントにする。
上記の方針にもとづき、柔道の魅力をピックアップして、以下のように9つのプログラムを作りました。
①柔道衣を着てみる!凛とした美しさ
②転んでもケガをしない技術を習う
③人を投げる!一生に一度は体験を
④最強の格闘術!寝技をやってみる
⑤どんなスポーツにも効果がある体幹トレーニング
⑥「ID柔道」を知ってますか?
⑦最高の遊び場 畳の上で運動あそび
⑧武道の美しさ 柔道の形を鑑賞
⑨柔道を作った人は日本体育の父だった
柔道衣を着る(①)、柔道の技を見る(⑧)、受身(②)、立技(③)、寝技(④)、畳の上でできる体幹トレーニング(⑤)、インクルーシブな側面があることを知るID柔道(⑥)、さらに道場は運動遊びをする環境としても優れていること(⑦)、そして、嘉納治五郎先生のお話を通じて、柔道はただ身体を動かすところではなく、教育機関として理想をもっていること(⑨)を体験したり、学んだりすることができるようにしました。
参加者の内訳:7割が家族連れ・留学生
156名の参加者のうち、幼児・小学生が52名、中高生・大学生が3名、保護者51名、大人50名です。7割が幼児・小学生を連れた家族連れ、3割が大人となります。大人の中には、海外から日本に留学している20代の学生の皆様が「日本文化を体験したい」ということで多数参加くださいました。
アンケートによると、約6割の参加者が柔道を初めて体験し、約3割は家族に柔道関係者がいる、約1割は現在柔道をしている皆様でした。
当日の内容:9つのプログラムを体験
当日は、プロジェクトリーダーの浅見友記夫氏(中学校教員)が司会を務め、副リーダーである田邊智彦氏(明武館田邊道場)の開会のあいさつ後、加美中学校柔道部の中学生の皆様による柔道の演武が行われました。
寸劇を交えて受身や投げ技などを披露し、この演武を見て母親に「柔道を始めたい」と言ったお子様もいらっしゃたそうです。
次に、浦井重信氏(文武両道の放課後等デイサービスみらいキッズ塾)、楠山光一氏(光真道場)による畳の上での運動遊び。
大いに盛り上がり、参加者の中にはこのプログラムを自分のクラスに取り入れたいとお話された大人の方もいらっしゃいました。
その後、参加者は6つのグループに分かれて、15分づつ6つの体験コーナー(受身、立技、寝技、体幹トレーニング、ID柔道、嘉納治五郎先生のお話)を巡りました。さらに、柔道衣を着てみたい方は試着コーナーで試着して写真を撮ることができるし、記念のキーホルダーを作ることもできます。
各コーナーそれぞれ盛り上がり、あっという間に終了時間となりました。参加者からは「様々なプログラムを体験できたことがよかった」「15分という子供が集中できる時間で区切られていることがよかった」という感想をいただきました。
転んでもケガをしない技術を習う
交通事故よりも転倒で亡くなる方が多いってご存じですか?柔道の受身を体験!
担当:田邊智彦氏(大阪府池田市 明武館田邊道場)
人を投げる!一生に一度は体験を
簡単な技を習って経験者を投げてみます。映える動画が撮れます!
担当:浅見友記夫氏(大阪市立加美中学校)
最強の格闘術!寝技をやってみる
どんな喧嘩自慢も経験者に勝てないと言われる寝技を体験してみよう!
担当:表原 宏和氏(総合格闘技道場パラエストラ東大阪)
転んでもケガをしない技術を習う
交通事故よりも転倒で亡くなる方が多いってご存じですか?柔道の受身を体験!
担当:田邊智彦氏(大阪府池田市 明武館田邊道場)
「ID柔道」を知ってますか?
それぞれに合わせた柔道があります。知的障がい者柔道を体験してみよう!
担当:楠山光一氏(和歌山県由良町 光真道場)
柔道を作った人は日本体育の父だった
東京大学を卒業して柔道を作りオリンピックを広めた嘉納治五郎の足跡をたどります。
担当:酒井重義氏(NPO法人judo3.0)
柔道衣を着てみる!凛とした美しさ
日本の伝統的な衣装、柔道衣を着てみませんか?映える写真が撮れます!
担当:大山隆弘氏(大川町少年柔道クラブ 香川県さぬき市)
記念キーホルダー
協力:つばめ刺しゅう(大阪府池田市)
参加者の感想:96%が「とてもよかった」、37%が「近所の柔道クラブの体験に行く」と回答
イベント後、任意で無記名のアンケートに回答いただき、感想を伺ったところ、96%の参加者が「とてもよかった」と回答、以下のような感想をいただきました。
- 受身や投げ技を教えてもらってすごく楽しかったです。
- 家族全員が楽しめてよかった
- 周りを見るとみんな笑っていました。柔道を通じたこのような交流、次回もぜひ参加したいと思います。
- たくさんのイベントブースがあり、柔道の歴史やID柔道など、知らなかったことを学べ、とても勉強になりました。小学生にとっても集中力が持つようにうまく構成されており、親子で楽しく参加することができました。
さらに「柔道を始めてみようと思ったか」という点を伺ったところ、37%の参加者が「近所の道場を探して体験に行ってみようと思った」、56%の参加者が「いつか機会があったら柔道を初めて見たい」と回答、本イベントが柔道の魅力を知っていただくだけでなく、実際に柔道クラブへの入会を促す効果があることも示されました。
最後に
本イベントは「未経験者向けの柔道の体験会にはなかなか人が集まらない」「どうしたら柔道の魅力をより多くの人々に知っていただけるだろうか」という課題に対して、運営メンバーが何度も話し合いを行い、試行錯誤しながら企画を立案、当日は44名のスタッフと共に実施したイベントです。ご参加くださった皆様が柔道を通じて笑顔で過ごされている様子を見てほっとするとともに大変うれしく思いました。この取り組みが柔道普及に取り組む有志の皆様の参考になったら幸いです。
概要
名称:はじめての柔道ばんぱくin大阪城
日時:2024/11/16(土)13:30-16:30
場所:大阪市立修道館(大阪城公園内)
主催:NPO法人judo3.0
協力:加美中学柔道部 明武館田邊道場 光真道場 大川町少年柔道クラブ 文武両道の放課後等デイサービスみらいキッズ塾 同志社WRJC
後援:大阪府教育委員会 大阪府柔道連盟 大阪府柔道道場連盟 大阪府柔道整復師会
協賛:学校法人エール学園 大阪府柔道連盟 大阪府道場柔道連盟 株式会社明武館 株式会社リベルテ 株式会社ロゴスコーポレーション 大阪府柔道整復師会 剛斗館 株式会社笑光 同志社香里高校柔道部OB会 株式会社前田畳製作所 TOSHI行政書士事務所 上田吉夫 堺市立月州中学校柔道部 宮野接骨院 合同会社CARE POWER 株式会社レークランド
プロジェクトメンバー:
浅見友記夫(大阪市立加美中学校)※リーダー
田邊智彦(明武館田邊道場)※副リーダー
浦井重信(みらいキッズ塾)
楠山光一(光真道場)
大山隆弘(大川町少年柔道クラブ)
津田明宏(同志社WRJC)
金正嘉彦
柳谷弘子(光真道場)
酒井重義(NPO法人judo3.0)
ほか当日は多数の皆様にご協力いただきました。