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紀柔館のマキ先生の指導は日本一だと思った!の巻(特集「紀柔館」第1回)

(特集「紀柔館」第1回)紀柔館のマキ先生の指導は日本一だと思ったの巻

編集部です。柔道教育の未来を切り開くjudo3.0のウエブマガジンがはじまりました。今回は、和歌山の柔道学習塾・紀柔館の特集。その第1回は、judo3.0の信川友日子氏による訪問レポートです。よろしければご感想、コメント欄にお書きください。

※紀柔館とは、

柔道学習塾 紀柔館とは和歌山市郊外にある町道場。柔道の稽古のほか、畳の上に机を並べて塾生が勉強する、文字通り「文武両道」を指導する道場であり、日本で数少ない道場経営を専業としている道場である。幼児や小学生向けのクラスは「極上のエンターテイメント」との声も。また、合気道や相撲の技術も組み入れた独自の稽古プログラムを開発、フランスなど海外からの指導者の来訪も多数。代表の腹巻宏一氏は「柔道はすばらしい」(日本武道館 2007年)の著者でもある。FBページはこちら。紀柔館を取り上げた新聞記事はこちら

 

2017年3月11 日(土)和歌山の紀柔館に訪問させて頂きました!

幼児さん、小学生、中高生一般のクラスから、お勉強のクラスまで丸一日見学と稽古にお邪魔させて頂きました!

柔道関係の方々に何かご参考になればと思い、感想をレポートさせて頂きます。

なお、3/11土曜は以下の年代での稽古や学習が行われました! ↓

① 園児および小1.2年生の柔道クラス

② 3.4.5.6年生の柔道クラス

③ 小6、中学生、高校生の勉強クラス

④ 中学生、高校生、一般のクラス

①園児および小学校低学年クラスの様子

園児および小1.2年生のクラスでは子どもたちが飽きることなく、というか飽きる暇もなく 次々とメニューが進んでいきます。それほどマキ先生(代表腹巻宏一先生の奥様)の指導のリズム・テンポが良いです。

初めて参加した生徒さんや最近入塾された生徒さんがいれば、その生徒さんに合わせたメニューを組まれるそうで、いつもより基本的なメニューになっても小さな生徒さん達もそれを 理解してしっかり取り組まれていたのにびっくりしました。

またお手伝いとして、たくさんの小学生や中高生の先輩塾生さんも幼児クラスに来てくれていました!

練習の中に常に実践的な動きに対応したメニューが入っていたこと(動画…大内刈りを 掛け られたのを想定しています)も乱取りをイメージしやすく面白いと思いました。

マキ先生は「しっかり挨拶が出来る子に」「しっかり話が聴ける子に」など、「しっかり  ◯◯が出来る子になろう」という声掛けをすることが多く、柔道が出来る、強くなる、よ  りも人として大切なことを小さい子どもたちにも常に伝えられていました。

そして、この日は東日本大震災の日ということでマキ先生は「辛い思いをされた方がたくさん いらっしゃったことを忘れずにいること、今こうして楽しくみんなで柔道を出来ることに感 謝しましょう」と伝えられて、稽古では元気いっぱいだった子ども達もこの時は真剣にマキ先 生のお話を聴いていました。

最後には集合写真も撮って頂きました^ ^

 

②小学校高学年のクラスの様子

小学3.4.5.6年生のクラスではより実践的な動きのメニューや回転運動、トレーニングが増えますが、指導の理念は基本的に幼児さんのクラスと同じく、競技力の向上よりも遊びの要素を取り入れて楽しく柔道をしながら、人としての成長や友達との絆も深められるような内容でした。

(先生のお声掛けは、幼児さんと同じく「◯◯が出来る大人になれるように」などのお声掛けが多いこと、技や動きの見本を見せるのは先生ではなく子ども達だったり、ペアになってゲーム感覚で体遊びをしたり、グループで鬼ごっこをしたりなど)

 

寝技や立ち技の乱取りも中高生の先輩達が優しく教えてくれたり、少し集中が切れてしまったりお話している生徒さん達には「今は他の子の練習を見て勉強する時間だよ」と先輩が優しく声を掛けてあげていました。

幼児さんのクラスも同じく、小学生のクラスでも「柔道が楽しい!みんなと柔道出来るのが楽しい!」という雰囲気がありました。何より、子ども達の笑顔がそれを物語っていました!

③勉強クラスの様子

勉強クラスでは塾生さん達が絨毯と机を用意して、各々勉強を始めていました。

時には教え合いながら集中して黙々と問題を解いていました。クラスの後半ではマキ先生が入試の過去問題を出したり質問をしたりしながら確認していました。

勉強クラスから来られる塾生さん達もたくさんいらっしゃいました。ここで少し、塾生さん達の前でお話をさせて致きました。

④中高・一般クラスの様子

中高生一般のクラスでは宏一先生を含め、たくさんの先生方が稽古を見てくださいます。塾生さんのお父様や大人の方もたくさんいらっしゃいました。

回転運動はただ前転後転エビ受け身などではなく、少し特徴的な動きだったり体幹の筋肉や柔軟性を身に付けるような内容になっていました。また塾生さん達の身体のしなやかさや身体能力の高さにも驚きました。中高生の塾生さんは幼児期から紀柔館に通われているケースも多く、幼児期学童期の運動が運動神経の発達に影響することを再確認しました。

大人の方は出来る回転運動だけするという感じで、決して無理はしないように調整されていました。回転運動の際はJ-POPのBGMがかかっているのも素敵でした(*^^*)

しっかり回転運動をした後は乱取りを2分半で行います。青と緑の色帯でグループ分けをしていて、高校生は青で絞め技も関節技も大丈夫、緑は一般の方、何も巻いていないのが中学生以下というように、競技レベルや学年が分かりやすくなっており、出稽古に来られた方や柔道を始めてすぐの方なども安心して稽古に参加できる出来るシステムになっていました。

最後に

私は、柔道が人との出会いや絆など人と人と繋ぐ架け橋になると思っています。紀柔館には様々な国の方や色んな地方の指導者がゲストとして訪問されることも多いそうです。紀柔館のような道場に行けばたくさんの仲間達と出会うことが出来るので、まさに道場自体が人と人とを繋いでいる架け橋だと感じました!

柔道を通して人として大切な力を身につけられて、子ども達と社会を繋いでいる素晴らしい道場だと感動しました!

また、マキ先生は否定的な言葉を使ったり、怒鳴ったりするような威圧的、高圧的な指導を全くされていませんでした。

人としての成長を期待する言葉が多く、子ども達が大人になったときに社会で生きていくために大切な、必要な力を身に付けるために「今、◯◯をしているんだよ。」と小さな生徒さん達にも分かりやすく柔らかい言葉でご指導されていました。

威圧的な厳しい指導は、幼児や発達障害を持つ子どもさん、繊細な心を持った子どもさん達には恐怖心を植えつけてしまう可能性があると思います。

テンポよく流れるように、楽しく、そして上手くなる。

社会で生きるために必要な力を身に付ける人間教育としての柔道指導を実践されているマキ先生。マキ先生のご指導は、これこそこれからの柔道指導に求められている形ではないかと思いました。

そんなマキ先生の指導は日本一だと思いました!腹巻宏一先生、マキ先生、塾生の皆さん、ありがとうございました!とても良い勉強になりました!これからも学ばせて頂きたいと思います。また、お伺いさせて頂きます!

reported by 信川友日子
柔道家・ブラジリアン柔術家。健康運動指導士。兵庫県神戸市生まれ。関西大学 人間健康学部卒。専攻は社会体育と教育。講道館柔道参段。社会人からはじめたブラジリアン柔術で、老若男女が柔術を楽しんでいる様子に衝撃を受け、柔道の課題と可能性を再発見。恵まれない家庭環境にいる子ども、シングルマザーや障害のある子どもや大人など、困難な状況にある人々が社会とつながる「居場所」としての柔道、「福祉」としての柔道をカタチにするため、judo3.0に参画。現在は、女性が参加しやすい柔道のカタチ、ブラジリアン柔術からみた柔道の改善点、という視点から問題提起している。

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