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柔道と英語さえあれば、世界はあなたに微笑む!

どうも、皆様初めまして! 福岡県出身の植波 翔(うえは しょう)と申します。昭和61年生まれの30歳でございます。只今チェコの首都プラハにてこの記事を書いております。

簡単に自己紹介させて頂きます!福岡県の中学校で柔道を始め、大学まで10年間続けた後、日本の企業に就職し、柔道は燃え尽きたかのように一切やめました。5年ほど社会人として働いた後にフィリピン留学で3ヶ月、カナダに3ヶ月ほど滞在し、ニュージーランドに1年、オーストラリアに半年ほどワーキングホリデーで渡航しました。今現在はヨーロッパの柔道道場を巡りながら旅をしております。

ヨーロッパの道場は今現在、ポルトガル→スペイン→イタリア→クロアチア→セルビア→オーストリアの各国で6つの道場を訪問しております。友達づくりにと思い約6年ぶりに、ニュージーランドで柔道を再開しました、すると燃え尽きたかと思っていた柔道の炎がみるみる内に燃え上がっていくのを自身の中に感じました、とかっこよく書いてみましたが単純に柔道の新たな魅力に30歳間近になって気づかされたという次第でございます。さて本記事では、ニュージーランド、オーストラリア、ヨーロッパ各国で柔道をした私自身の経験から学んだことを紹介させて頂きたいと思います。

         ニュージーランド、Christchurch Judo school の仲間と人生初のブルー道着!
⒈柔道を通して世界中に友達を作ることが出来る

ニュージーランドで柔道を再開した際、柔道という競技を通して本当に多くの友達を作ることが出来ました。初めに驚かされたのは、乱取りの最中で相手を投げた際に相手から“It was so nice!!”(今のは凄く良かったよ!) って言われたことです!かなり衝撃だったのを覚えています。というのは、日本で乱取りで投げた相手から褒められる様な経験が学生時代には無かったからです。彼らはお互いの技術の優れていることを純粋に認め合い、褒め合うという文化があるのだと関心しました。そして柔道という競技は1対1でお互いが接近して行うという特性上、組み合った際にお互いの力を直接感じることが出来るという他のスポーツにはない重要な特徴があります。

世界中の人々と組み合うことでお互いの柔道に対する思いを感じる瞬間は非常に感動的です!また厳しい練習の後、彼らとはすぐに友達になることが出来ました。大切なのはたった一言“Hi, it was so nice to practice with you!”(あなたと練習できてめっちゃ良かったー!) と声をかけるだけです!なぜなら既に乱取りを通してお互いのことはわかっているのだから、話はもうついているようなものです。ニュージーランドに行った当初は現地の友達つくりに悩んでいた私にとって、柔道を通して友達を作るのはなんて簡単なのだと学んだ瞬間でもありました。

⒉日本で柔道をした経験という大きな価値

これは日本の柔道家の特権ともいえるでしょう。日本で柔道を学んだことは、海外の人々にとって大変興味深いものであることは間違いありません。柔道が日本発祥ということもあり、多くの人が関心を持って私に対して話しかけてくれました。子どもたちからは「いつか日本に行って柔道がしたいんだ!」とか「講道館に行ったことある?」といった質問を多く受けましたし、「日本の柔道はしなやかで美しい、なんでなんだ?」という様なこともヨーロッパに来て聞く機会がありました。学生の時に毎日稽古に励んだ経験は、間違いなく大きな価値のあるものだったと認識することが出来ました!また日本柔道が持つ芸術性は、世界の柔道家を魅了しているのだと誇りに感じることが出来ました。

親睦会の様子
⒊さまざまな年齢層もしくは女性向けにわけてクラスがある

海外の柔道クラブは様々な年齢層のクラスにわかれての稽古があります。例えばニュージーランドのギズボーンにあるクラブでは、5-7歳の小さな子ども向けクラス、7-14歳のジュニアクラス、12-16歳の中級者クラス、16歳以上の大人クラス、週一回で女性限定のクラスなど、1つの道場で5クラスの稽古を行っていました。またクライストチャーチのクラブでは体力が衰えてきた大人や基礎から学びたい人向けに、ジュラシッククラスというのがあったり、クロアチアのクラブではレクリエーションクラスといって、乱取りはほとんど行わずに柔道の技術習得や移動打ち込み、ストレッチに重きをおいたクラスがあったりなど、様々な柔道の楽しみ方があるのだと学んでいます。

小さな子ども向けのクラスでは柔道というより、ボールを使った遊びや、先生の掛け声に応じて壁に向かって競争するというような、基本的な身体の動作から指導が始まります。そして年齢が上がるに伴って技術指導や乱取りを少しずつ増やしていくというように、段階的に子どもたちの成長をサポートする体制があります。また子どもたちにとって道場で様々な大人と接する機会があるということは、将来設計や人生相談をするにあたり非常に有意義であるだろうと感じています。

様々な年代の人たちが稽古しています!
4.技術の幅広さ

ヨーロッパの国々を回ってみて、やはり非常に興味深いのが彼らの柔道スタイルです。中には一度も見たことのない技をお目にかかる機会もありました。セルビアにいた時に「日本とヨーロッパの柔道で、違うところはどこだと思う?」という質問をしたところ「日本の柔道はきれいな柔道で一本をとる柔道、ヨーロッパの柔道は何があっても勝てる柔道」というような答えが返ってきました。

その言葉どおり、彼らにとって大腰や内股、背負投が左右で出来るのは当たり前で、肩奥を持ったグリップ(クロスグリップ、ロシアングリップなど)から様々な技を仕掛ける練習をしていたのはとても衝撃的でした。また近年よくジョージアの選手が使うタイプの裏投げや、モンゴリアンの選手がやるような、押し込んで抱きついてから持ち上げた後の移り腰といった技を練習にどんどん取り入れていることも非常に勉強になりました。

5.他の格闘技から技術を吸収する、ブラジリアン柔術との合同練習など

ニュージーランドのクライストチャーチの道場では、一つの道場に合気道、ムエタイ、空手、ブラジリアン柔術など様々な格闘技が所属しており、先生たちはお互いに白帯から柔道を初めたり、ムエタイの試合を観に行ったりとお互いの格闘技から何かを吸収しようとされていたのは印象的でした。またギズボーンの柔道クラブでは、土曜日はブラジリアン柔術メンバーと合同で寝技の稽古があるなど、異種の格闘技の交流が非常に盛んで新たな学びが多くありました。かの故木村政彦先生も、握りを強化するために空手を習得していたことを思い出し、今後は柔道も多種多様な格闘技の技から技術を切り取っていくことも重要なのだと学んでいます。

クライストチャーチでの柔道家と柔術家の合同寝技練習!!
6.コミュニティーとしての柔道クラブ

前述した様に、海外の柔道クラブでは日本の様な部活動がないため、様々な年齢層の人々が所属しています。そのためメンバーは家族同然だったり、または強い絆で結ばれた友達だと感じたりすることができます。様々なイベントを一緒に経験することが出来ることは社会に属しているという安心感を与えてくれます。

例えばお世話になったオーストラリア・メルボルンの竹谷道場ではミッドイヤー・ディップ(Mid year dip)といって真冬にあたる7月にクラブメンバーで海に入る行事やバーベキューパーティーなどのイベントがあったり、子どもから大人まで参加して日々の生活について話し合えたりする場が沢山あり、それらは人々の生活に興奮や喜びを与えてくれるものだと学んでいます。

またスペインのバルセロナのクラブでは、金曜日の夜は練習後飲みに行くという決まりがあり、そこにはもう高齢過ぎて練習には参加しないけれど、飲み会にだけは参加するといったおじいちゃん柔道家がいて、一緒にお酒を飲める機会を楽しんでいました。そこには柔道クラブのコミュニティーとしての存在がありました。

柔道家のみが持つ特別なツール

今現在、地中海や東ヨーロッパを巡る旅を通して、本当に沢山の学びを得ております。上記の話はそのほんの一部ですが、記事にさせて頂きました。

ポルトガルで出会った北京オリンピック出場の彼は私にこう言いました。「柔道をやっている人間は私にとって家族も同然さ。だから翔(筆者)がポルトガルに来ると友人から聞いた時、迷うことなく迎え入れようと思ったんだよ。」沢山の柔道家の支えがあって今の私、そして旅があります。東ヨーロッパを巡っていると、日本人の私では想像もできない様な貧困に出会うこともしばしばあり、そのような地域にあって柔道が彼らにとって大きな存在であるということを知る旅でもあります。

子どもたちは「いつか日本に行くのが夢なんだ」と僕に語ってくれます。彼らの両親の平均月収は3万円~5万円の国もあり、日本に行くということは本当に壮大な夢であるのだと感じています。私は旅が終わり日本に帰国したら、彼らを日本に招待するためにjudo3.0の皆様と繋がり、日本柔道ひいては国際柔道に少しでも貢献できればと考えております。ですので、本投稿をお読み頂いた日本の柔道家の皆様と必ず未来にお会いできるのだと信じ、この旅をより有意義なものにしていきたいと思います。

また日本の柔道家の皆様には是非、海外の道場に出向いて柔道を一緒にする機会を持って頂きたいと願っております。便利な世の中ですのでFacebookやインターネットでキーワードを検索すれば、必ず情報を得ることができます。毎日厳しい稽古を積んだその技は、海外で友人を作るために本当に役に立ちます。もしやり方がわからない等ございましたら私にでもご連絡頂ければ、多少はお役に立てるかと思います。

柔道と旅の組み合わせは現地の人とのリアルな交流ができる柔道家のみが持つ特別なツールだと思います。ぜひ海外の道場に道着を持って訪ねてみてください。きっと素晴らしい出会いが待っていますよ。

オークランドインターナショナル大会で金メダルを取った時の写真。大好きなChristchurch Judo Schoolの仲間と!

プロフィール

植波 翔

1986年生、福岡県出身。中学から柔道を始め、大学までの10年間を柔道に打ち込む。大学は九州大学に進学したため、高専ルールでの柔道を4年間学び、その影響か大嫌いだった寝技も好きになる。社会人になり柔道は一切辞めて、登山にはまり、週末は必ずどこかの山に登る日々を過ごす。海外の山にも登りたいという思いから5年ほど勤めた会社を辞め、単身カナダに渡り、3ヶ月間にわたる登山学校に入学。カナダ渡航前に3ヶ月のフィリピン留学をしていたものの、現地のネイティブの話す英語に全くついていけず、悔しい思いを経験し、もっと英語を話したいという思いからワーキングホリデーでニュージーランドに行くことを決意。そこで現地の友達を作りたいと模索していたところChristchurch Judo Schoolに出会い、5年ぶりに柔道を再開する。柔道の持つ様々な可能性に気づきオーストラリア、ヨーロッパを柔道で人脈を築きながら回る旅にでる。

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