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嘉納治五郎の柔道と教育19 中国人留学生の教育事業(作成中)

※作成中

これまで「嘉納はどのような人間を育成しようとしたのか。」と「嘉納はどのような方法で育成しようとしたのか。」という点をみてきた。今回は、「嘉納は誰を育成しようとしたのか。」という点に関し、特に、嘉納が数え年37歳から42歳までの間におこなった、約8000人の中国人留学生に教育についてみていきたい。

日本留学の意義

先生の懐抱せられる意見は、日本はただ隣邦にして物価廉なるのみならず、同文にしてかつ孔孟の教えを奉じ、道徳の根柢を同じくすることが、ことに有利な条件である。それのみならず、欧米の文明というものは、数百年の努力を積んでここに至ったもので、日本の現在の新文明は、欧米の数百年間に蓄積したものを僅々、二、三十年の間に、摂取同化したものである。ゆえに清国現下の急務としては、数百年間漸成の跡を見てくるよりも、日本が短日月の間に、いかにしてこれを摂取同化したかを、見て、学んでくることが、支邦のために救国の第一義である。日本がよくこの世界未曾有の大成功を収めたゆえんのものは、国民が滅私奉公の誠、循良守命の節、実に宇内に冠絶するものあるがためにほかならぬ。ゆえにただ留学生を派遣すべきのみならず、政治家が日本に来って、維新以来の実況を視察研究すべきである。しかして国家改革の本は教育にある。教育は分って専門教育、普通教育の二とし、普通教育を基調とする。清国今日の頽勢を挽回するは、普通教育を興隆するをもって急務中の急務とするというにある(嘉納・体系11巻233頁)。

※本記事は、2010年8月から酒井重義(judo3.0)によってブログで連載された研究論考「勇者出処~嘉納治五郎の柔道と教育」の再掲です。

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