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「20年、畳を待ち望んでいた」 -モンゴルに畳を贈るプロジェクトを総括して-竹熊カツマタ麻子氏

NPO法人judo3.0は、モンゴルの道場に畳を贈り、国際柔道交流を進めていこうというプロジェクトを立ち上げ、多くの皆様の協力をいただき、2023年9月、モンゴルに畳を寄贈、そして、2024年9月、寄贈した畳が敷かれた道場にて、国際柔道大会が開催され、日本の生徒や関係者がモンゴルに行きました。その報告会が2024年11月に開催されましたので、以下、その報告の内容を動画と記事にてご案内します。

動画

モンゴルに畳を贈るプロジェクトを総括して-竹熊カツマタ麻子氏

報告

はじめに

モンゴルの柔道場に畳を贈るプロジェクトは、2年間にわたり多くの人々の協力によって実現しました。本プロジェクトの発端は、現地の柔道環境を整備するという願いから始まり、柔道を通じて教育や交流を支えるための大きな一歩となりました。

プロジェクトのきっかけ

本プロジェクトのきっかけは、2022年10月、モンゴルの視覚障碍者協会の会長との昼食会での会話でした。当時、会長から「柔道着はいただけることはありがたいが、畳をいただくことができないか」と言われました。さらに、その後、国体育大学を訪問したとき、新しい体育館は作ったが、畳を購入することができず、床がコンクリートのままになっている現状を目にして、大学の副学長の柔道にかける情熱に触れて、「どうにかしてモンゴルに畳を届けたい」という思いが芽生えました。

実現への挑戦

プロジェクトは、2022年の現地訪問後に本格化しました。当時、柔道場となる場所はまだコンクリートの状態でしたが、このプロジェクトを実施したことによって、2年後には立派な柔道場が完成しました。そして、体育大学の学生たちが稽古をする様子を目にして、まるで以前から元から畳があったかのように使いこなしている様子が印象的でした。
このプロジェクトは、公的機関の支援ではなく、民間の協力によって成り立った点が大きな特徴です。
日本で寄贈いただいた畳は神戸港から中国・天津港を経由し、ウランバートルまで運ばれました。そこから体育大学へ届けられた畳は、以下のように3つの道場で活用されています。

  1. モンゴル国体育大学:柔道場の畳として活用使用されています。
  2. 視覚障碍者協会:体育大学から80枚の畳が無償貸与され、視覚障害者の柔道練習場として活用されています。
  3. 特別支援学校:体育大学から特別支援学校に44枚の畳が無償貸与され、障害のある子どもたちの教育や柔道活動に役立てられています。

これらの施設では、畳の提供を通じて障害者や子どもたちが柔道を学び、交流を深める場が広がっています。視覚障碍者協会の元会長は「20年もの間、畳を望んできた」とおっしゃっており、長年の願いを叶えるものとなりました。

最後に

多くの人々や団体の支援のおかげでこのプロジェクトを成し遂げることができました。寄贈された畳は単なる柔道場の設備として提供されただけでなく、柔道を通じた教育、障害者支援、そして国際交流の促進という大きな意義を持っています。本プロジェクトは、多くの人々の思いと努力によって成し遂げられた成果であり、これからのモンゴルの柔道文化の発展を支える基盤の一つにとなると思います。今後も、柔道を通じた国際的な交流が広がっていくことを期待します。

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