【活動報告】新潟にて発達障害と柔道指導のワークショップを開催
2019年6月17日(日)10:00~16:00、新潟県新潟市の白根カルチャーセンターにて、「発達が気になる子が輝く柔道の指導法ワークショップ」を開催しました。新潟県のほか、長野、富山、神奈川、静岡など県外からも、そして、柔道の指導者のほか、保護者や社会人のみなさまにもご参加いただき、合計50名が参加くださいました。
ワークショップの概要
はじめに
「発達障害に柔道からアプローチする理由」酒井重義氏:運動が脳(神経)にあたえる様々な効果が明らかになってきており、中枢神経の発達不全であると考えられている発達障害について、柔道で不器用さを改善したり、脳の発達を促すことが求められていること。
ワークショップ1
①講義「発達障害のある児童生徒の理解と支援のコツ」西村健一氏:発達障害の種類や特長、発達性協調運動障害(DCD)について、スポーツクラブと発達障害の実情、特別支援で利用されている「応用行動分析」の内容と柔道指導での使い方など
②グループワーク「指導の工夫の仕方を考える」:グループに分かれて、参加者同士が実際の凸凹の生徒への指導経験を共有しながら、応用行動分析の考え方につかって、指導の工夫の仕方を考えてみる。
ワークショップ2
①講義「発達の凸凹による不器用さがある子のための運動指導」浦井重信氏:粗大運動から微細運動へ、など発達段階に応じた運動プログラムを作る必要性、不器用さを改善する視点として、四つ這いの動作を通じた体幹の柔軟性など
②体験「四つ這い運動など」:体幹が柔らかい場合の四つ這い、固い場合の四つ這い、その違いなど
ワークショップ3
①講義「インクルーシブな柔道クラブを目指す理由」長野敏秀氏:自分の柔道経験や生徒への指導経験などから、柔道で幸せになっているかを問い直し、「勝つことをいったんやめた」クラブを設立するに至った理由、柔道あそびの可能性など
②プログラム体験「柔道あそびの体験と共創」:長野敏秀先生のほか、菊池としえ先生(静岡県 大仁柔道会)、鷹木精次先生(神奈川県 朝飛道場)から、子どもたちがワクワクするプログラムを実演いただきました。次に、参加者それぞれで「柔道あそび」をつくってみて、発表しました。
アンケート
ご参加くださった皆様にアンケートをご記入いただきました。その概要は以下の通りです。
ワークショップ全体について
-とてもよかった 91.5%
-よかった 8.5%
-普通 0%
-よくなかった 0%
<コメント>
-楽しませる工夫をすることは指導者の喜びにもつながると感じた。
-子ども達の指導に当たり、迷いながらも、方法が分からず、ただただいつも同じことをしてしまっていた。注意点、方法などにとてもたくさん気づき、教えていただけた。
柔道の指導者にこのようなワークショップが必要か、について
-とても必要である 82.2%
-必要である 17.8%
-普通 0%
-必要ない 0%
<コメント>
-近年発達障害が増えているように思うが、指導者がどう接していいか分からない。接し方が分かれば、指導者、保護者も安心して柔道をすることができると思う。
-色々なタイプの子どもがいることをもっと頭に入れておかないと自分だけの押し付けの指導になってしまう。
ご感想(SNS)
静岡県から参加してくださった菊池としえ先生がfacebookに以下の感想とムービーを投稿くださいました。
ご協力
本ワークショップは、新潟県柔道少年団さまの後援をいただくことで開催することができました。お忙しい中開会のご挨拶をくださった団長の浅妻先生、運営を担ってくださった星野先生はじめ、関係者のみなさまに心から感謝です。