1. HOME
  2. お知らせ
  3. 【コラム】身体の不器用さとDCD(発達性協調運動障害)

【コラム】身体の不器用さとDCD(発達性協調運動障害)

発達障害の一種として、極端な不器用さを主な症状とする発達性協調運動症(DCD)があります。2021年4月25、25日、第4回日本DCD学会学術集会にオンラインで参加し、様々な講演や報告を伺いました。以下、学んだことを簡単なメモにしましたのでご参考になったら幸いです。なお、このメモは自分なりに理解した範囲でのメモであり、上記の学会の内容を正確に反映したものではありませんので、この点、ご留意ください。

日本DCD学会での学びメモ

  1. 不器用さがある子供は友人関係に消極的になったり、学業にも悪影響を及ぼしたり、運動ができない自分を何度も体験することで自尊心が低下するおそれがある
  2. 不器用さの悪影響は大きいが、ASDのコミュニケーションの問題やADHDの衝動的な行動と比較すると、困り具合が見えにくいため、気づかれないことが多く、DCDという概念が知られていない。診断基準も普及しておらず、診断できる医師も少ない。
  3. 二次障害のないASDやADHDと比較して、DCDのほうが自尊心が低下していたりする。ASD、ADHDは自己理解が不正確であり(周りとトラブルになっても気にしないとか)、DCDは自己理解が正確であることがあるため。
  4. 不器用さがなぜ生じるか、原因は明らかではないが、様々な感覚の過敏や鈍麻など、感覚の特性が関係している可能性がある。また、運動不足と、これからの感覚の不十分な発達は関係している可能性がある。
  5. DCDは子供の5~6%に見られる。知的障害、ASD、不登校よりも多い。DSM-5で診断名の併存が認められたことでDCDが注目されるようになった。なお、障害者スポーツの調査(様々な障害を含めて)によると、月に1回も運動しない人が約50%いる。
  6. 以前、運動と勉強やコミュニケーションなどは別々のものと考えられてきたが、研究が進み、脳の情報処理のレベルでは、運動の情報処理とコミュニケーションの情報処理はかなり重なっていることが分かってきた。
  7. バスケのフリースローの動画を途中で止めて、入るか入らないかの予測の研究、選手、コーチ、一般人で、選手が正解率が高かった。自分で動いた経験があると他人の動きを予測しやすい。これを踏まえる、自分が不器用であると、他人の行動をうまく予測できない可能性がある(不器用さとコミュニケーションの関係)
  8. 運動の指導は、子供が自分で計画を立てて、自分がやりたいような方法でやる、これをサポートするのが効果的。CO-OP。指導者が目標、メニューを決めて子供にやらせるのは効果的ではない。
  9. 不器用さがあっても、集団でスポーツや運動を楽しむことができる。うまくできないけど、みんなでワイワイやって楽しい、という楽しさがある。指導者が、できる・できない、試合に勝つ・負ける、にこだわりすぎると、そういう楽しさを奪ってしまう。
  10. メディアの役割も大事。これまでマンガなどで運動ができない子供をネガティブに描いてきたので、運動ができない=ダメな子供、というイメージを作ってしまったのではないか。のび太など

感想

身体が不器用であることは想像以上に本人に悪影響が大きいにもかかわらず、これまで注目されてこなかった、できないことは「本人の努力不足」、不器用さゆえにあまり友人と遊んだりできなくなったことが「控えめな性格」などと誤解され、つらい環境にいる子供たちがたくさんいるといるという。一人でも多くの子供達が柔道を楽しめるようになって、身体を思い通りに動かせるようになって、いい人間関係を築いてほしいと思いました。

なお、judo3.0が出版した書籍「発達が気になる子が輝く柔道&スポーツの指導法」にはDCD(発達性協調運動障害)についても解説しており、不器用な生徒に対してどのように指導したらいいか、生徒との関わり方や運動プログラムの作り方などが記載されています。こちらもご参考になったら幸いです。

またDCDについては、NHK福祉情報サイト「ハートネット」の特集記事「発達性協調運動障害の子どもたち 必要な療育とは?」や「極端に不器用な子どもは発達障害の可能性も!? 発達性協調運動障害とは」などもご参照ください。

 

 

お知らせ

お知らせ一覧

オンラインイベントのご案内

人気記事

最近の記事