1. HOME
  2. ブログ
  3. 東南アジア・マレーシアで柔道をして ①マレーシアでの柔道と、働く環境について

東南アジア・マレーシアで柔道をして ①マレーシアでの柔道と、働く環境について

こんにちは、編集部の小崎亮輔です!今回はマレーシアの首都クアラルンプールで働きながら柔道をしている高橋正典先生にお話を聞こうと思います。インタビューは2017年8月21日の夜、ビデオチャットにて日本とマレーシアが繋がれて行われました。ところでみなさま、マレーシアが11年連続で「日本人が移住したい国」ランキングの1位を飾っていることはご存知でしょうか?
ということでマレーシアは今、とてもホットな国です!どんな国か気になりますね!では、インタビューの内容をどうぞ!
興味を持った方いましたら、ぜひ高橋先生にコンタクトをとってみてください!

マレーシアの首都であり、高橋先生が暮らしている街クアラ・ルンプールの写真です。

小崎:高橋先生、こんにちは。本日は貴重なお時間をありがとうございます。よろしくお願いします。

高橋:よろしくお願いします。

小崎:本日インタビューしたい内容は大きく分けて以下のとおりになります。

  1. 高橋先生の経歴について、マレーシアに住むようになった経緯
  2. マレーシアはどんな国なのか
  3. マレーシアで柔道をしていることで役に立ったことはあるか
  4. 海外で働くとはどのようなものなのか

この4つの観点からお話を伺いたいと思います。ではまず、高橋先生のご経歴とマレーシアとのご関係を伺ってもよろしいでしょうか?

今回はWEBチャットでお話を伺いました!

今回はWEBチャットでお話を伺いました!

 

マレーシアとの出会い

高橋:名前は高橋正典と言います。生まれは1968(昭和43)年6月30日、今年で49歳になります。柔道は中学校からはじめました。中高の6年間はがっつり柔道をしました。大学時代は浪人した関係もあり、違うスポーツに親しみました。

マレーシアに渡ったのは1995年、26歳の時です。当時勤めていた商社がマレーシアに営業所を作るということで、その立ち上げ要員に私が選ばれたんです。それからマレーシアとの付き合いが始まりました。途中色々ありまして、その会社はやめました。それで一度は日本に帰ってきたんですが、次の働く場所も海外にしようと私は決めていました。次はシンガポールで1年働きました。シンガポールは、水が身体に合わなかったですね(笑)。シンガポールからマレーシアに移ったのが2000年の時で、それからはずっとマレーシアの首都、クアラルンプールに住んで仕事をしています。

小崎:ありがとうございます。この海外に住み始めた時期、柔道はやっていたんですか?

15年のブランクを経て、柔道を再開!

高橋:いえ、柔道は高校を卒業した時からずっとやっていませんでした。柔道を再開したのは、再度マレーシアに住み始めた後の2002年でした。18歳で一度やめたので、約15年という結構な期間のブランクを経てのカムバックですね(笑)。要は運動不足で体重が増えてしまったから、柔道を再開するに至ったんです。他のスポーツの選択肢はあるにはあったんですが、ゴルフやらソフトボールやら、球技ばっかりだったんですよ。僕、基本的に球技ができなくて(笑)。何のスポーツをしようかなと思った時に、柔道しか残っていなかったのが本音です(笑)。

そんな感じで柔道ができる場所を探していたら、知人が柔道の道場を教えてくれたんです。それが今でもお世話になっている、Bangsar柔道クラブだったんです。そのクラブに入って、柔道を再開しました。

2002年当時、Bangsar柔道クラブで柔道を再開したときの写真

小崎:ありがとうございます。体重が増えたから柔道を再開したそうですが、高橋先生、痩せていますよね?

筆者注:高橋先生とは、2017年6月の日本ベテンズ国際大会でお会いしたばっかりでした!

高橋:いやいや、今ではマスターズ大会に73kg級で出ていますけど、一番太っていた時は105kgありましたからね(笑)。しかもこの30kgのダイエットは2回成功しているんです。仕事の関係で一時期柔道ができなくなった時にまた105kgぐらいまで太っちゃって、また柔道を再開して75kgくらいまで落としたんです(笑)。

小崎:体重の増減が凄まじいですね(笑)。柔道ってやはり運動強度が高いですし、ダイエットにも効果があるということだと思います!

では、次の質問をさせていただこうと思います。次の質問は、「マレーシアってどんな国?」です!

 常夏で開放感あふれる国、マレーシア

高橋:一言で言えば、「良い国」ですよ(笑)。でも最近となっては日本でも、テレビとかでマレーシアのことが紹介されているそうですが、私がマレーシアに渡った1994年ぐらいの時は、マレーシアの認知度はとても低かったです。その頃、東南アジアで知っている国と言ったらシンガポールかタイでしたね。私がマレーシアに赴任するとなった時、会社の先輩は私がジャングルのような地に赴任すると思っていたそうです(笑)。

今でこそ、首都のクアラルンプールは大都会です。赴任したての頃の物価は日本の3分の1くらい、今では日本の半分くらいまで上がって来ましたが、それでも十分住みやすいです。気候も年中夏ですので、開放感が素晴らしい、まさしく常夏の国です!それに加えて、親日家も多いんです。日本のアニメやJ-POPも流行っているんですよ。インフラ関係や医療サービスも先進国と同程度に充実しています。こういう理由があって、マレーシアは居心地がいい国なんです!クアラルンプールは大都会ですが、車で2時間も走ればこれまた居心地のいい田舎が広がっています。

小崎:私も移住したいです、マレーシア・・・!そう言えば、マレーシアにはどのくらい日本人はいるんですか?

高橋:現在はマレーシア全体で2万人くらいいるそうですよ。マレーシアと一口に言っても、南部の方にあるボルネオ島では文化が全然違うんですよ。これもまたいいんです。ちょうど先週、柔道の指導でこのボルネオ島のクチンという街に行ったんです。国士舘大卒の柔道指導者の方が毎年ボルネオ島で柔道指導を行なっていて、それについて行ってます。

小崎:ボルネオ島って、あの半分くらいがインドネシアの島ですよね?ということは、インドネシア寄りの文化だったりするんですか?

高橋:それもまた違うんですよね(笑)。マレーシア全体はイスラム教が主流なんですが、特にボルネオ島はイスラム教が布教された時、既にかなり独特な文化が形成されていたようなんです。ボルネオ島の方の方々は顔にペイントをして、竹槍を持って、頭に羽根飾りをしている「首刈り族」の末裔だそうなんです。また少数民族がたくさんあるんですよ。少数民族は戦闘種族が多いので、スポーツ選手や軍人さんは少数民族出身の方が多いんですよ。

私の柔道関係の友達にも少数民族出身の方がいて実家に連れてってもらったことがあるんですが、本当に「ウルルン滞在記」に出てくる感じの、山の中にあって大家族が住んでいるような家で本当に楽しかったです。このようにマレーシアは地方によって文化や雰囲気が全然違うんですが、それもすごく面白いんです。

小崎:地方によって民族や文化が大きく違うのは面白いですね!では次に、マレーシアで柔道をすることで役に立った事などありましたら教えていただけますでしょうか?

柔道のおかげで友達が増えた!

高橋:やはり柔道をしているということがコミュニケーションツールとして役に立ちましたね。他のスポーツでもそうだと思うんですが、民族や宗教の壁を超えてコミュニケーションができますよね。例えばサラリーマンとして、大人になってからマレーシアに来た場合、友達はほとんど会社の人だったり、近くにいる日本人だったりすると思うんですよ。

ローカルのマレーシア人と仲良くなるのは意外と難しいと思います。先に言ったように、宗教に加えて民族的にも違いがあるので。と言っても、サラリーマンとして来ている方の多くは、3〜5年くらいで日本に帰る方が多いので、マレーシア人の友達ができなくても困っていない人がほとんどかもしれません。少しもったいない気がします。

それに比べて、例えば私の場合は柔道をしているおかげか幅広い年代のマレーシア人の友達がいます。Bangsar柔道クラブに所属している、下は10代の子どもから上は50代のおじさんまで仲良くなれています。

あと柔道の特徴として対人スポーツであることが挙げられますけど、それによって個人との繋がりがすごく深くなると思うんです。サッカーなど球技や他のチームスポーツとは一味違う、身体をぶつけあって分かり合えるものがあると思います。他の格闘技と比べても、柔道をやっている人は優しい気がします。殴り合いの格闘技をやりたくない優しい人が柔道を選んでいるのかもしれませんが(笑)。

私は今でもマレーシア中のいろんな場所に柔道指導や出稽古に行きますが、行った先々で柔道をしていたおかげで素敵な出会いがあったり、稽古の後に食事してその後楽しく騒いだり、とにかく柔道をしているおかげで毎日が楽しいです!

あと、私が所属しているBangsar柔道クラブのメンバーは国籍も多様で、クアラルンプールでは珍しく年齢層も高めなんです。平均年齢は30歳を超えていると思います。元マレーシアのトップ選手だったり、フランスやドイツ、モロッコ、カザフスタン、キルギスの選手だったり、とにかく面白いです!常時3、4カ国の人たちが稽古に参加していますね。

小崎:ありがとうございます!その多国籍の環境、素晴らしいですね!また、柔道のコミュニケーションツールとしての可能性が、とても強く感じられます!私もぜひ行きたいです!

では最後の質問になるんですが、日本の中高生や大学生に向けて、海外で働くとはどういったことなのかを説明するような感じでメッセージをいただけますか?

若者よ、海外に出よう!

高橋:最近のニュースで、日本の大学生で留学希望者が減少しているという話を聞いて少し悲しくなりました。マレーシアも少し昔は日本からの留学生をよく見たんですが、そういえば最近あまり見なくなったと思ったんです。留学に行きたくない理由としては、就活に影響が出るから、就活に出遅れるからという答えが多いそうなんです。なにを言ってんだ?と思います(笑)。

一年やそこらの留学でもしかしたら「日本の」就活に影響が出るかもしれないけど「世界の」就活ではそんなの関係ないですよ。海外で就活するとしたら、1年や2年の空白期間なんて「誤差」みたいなものですよ(笑)。日本で就活するにしても、留学してスキルアップをすれば、英語をマスターすれば、そのあとのキャリアアップに繋がりやすいのは簡単に想像できますよね。

とにかく、海外に出るチャンスがあればどんどん出て行って、自分の可能性に挑戦するべきだと思うんです。特に、今の日本だって大企業でも不安定な場合が多いし、定年までのレールが引かれていることも保証されません。そのような不安定な世の中で自分も不安定な環境に巻き込まれないように、自分のスキルや強みを磨くために有効な方法の一つが留学じゃないのかと思います。

あと、マレーシアやシンガポールでの仕事の考え方としては、転職が当たり前なんです。5年も同じ会社にいるなんて言ったら、不思議な顔をされますよ(笑)。転職しない限り給料が上がらないケースも多いです。給料を上げていくには転職が必要なんですね。転職活動で、他者に自分のスキルやアビリティを売り込むんです。要は、実力主義ってことですね。

ちなみに、新卒という概念もないです。高校卒業して、2年くらい働いてから大学に入学したりするのも一般的ですよまあ、「新卒至上主義」は紛れもなく日本独特のシステムですよね(苦笑)。日本以外の国はおそらく、マレーシアと同じような感じですよ!

日本の大学生へのメッセージは「チャンスがあれば、海外に出たほうがいい。」これに尽きます!価値観や世界が変わります。柔道家は仲間意識が強いから、柔道家を頼って世界に出ればいいんです。柔道家ネットワークを活かしましょう!

小崎:ありがとうございます!素敵です!高橋先生には今後も引き続き、東南アジアの柔道事情などについてインタビューさせていただこうと思ってます!

高橋:次はぜひ、来週開催される東南アジア最大のスポーツ大会「シーゲームス」のことを紹介させてください!

またマレーシアに来る人、マレーシアで柔道したいと思っている人はいつでも私に連絡してくださいね!

Bangsar柔道クラブのメンバー。様々な国籍の方が一緒に柔道をしています!

高橋正典

(たかはしまさのり) 四段 中学の柔道部に入部し柔道を始め、高校までの6年間、柔道の練習に励む。 大学を卒業後、機械商社に入社し、数年後にマレーシアへ赴任。以降、20年以上をマレーシアに暮らす 15年のブランクを経て柔道を再開してからは、Bangsar Judo Clubを中心にマレーシア各地でボランティアで柔道の指導を行う。 近年は、移住先や旅行先として人気のマレーシアの高いマレーシアに、是非、柔道着を持って遊びに来てください。

関連記事

おすすめ書籍

オンラインイベントに参加!

おすすめ記事

最近の記事

友だち追加